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ポータブルプレーヤーとして音楽ケータイを検証するiPod vs 音楽ケータイ(2/5 ページ)

» 2005年05月06日 20時15分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 CDからSonicStageのライブラリにリッピングをするか、SonicStage上からもアクセスできるMoraで楽曲を購入したのち、W31SをPCに接続、画面上部右の「音楽を転送する」を押せばセットしたメモリースティックに楽曲を転送できる。W31Sはマスストレージクラスにも対応しているが、接続時には本体液晶にデータ通信モードかマスストレージ接続モードかを問われるダイヤログも出現するので、接続や転送に関する操作で戸惑うことはない。SonicStageからはアルバム単位の転送のほか、自分で作成したプレイリストも転送可能だ。

 SonicStage自体はATRAC3plus/ATRAC3/WAV/MP3/WMAの再生に対応しているが、W31Sが再生できるのはMagicGate対応のメモリースティックDuoに暗号化して保存されたATRAC3のみとなっており、ATRAC3plus/WAV/MP3/WMAについてはSonicStageで変換した後に転送することになる。

 CDリッピング時のデフォルトコーデック/ビットレートはATRAC3 132kbpsだが、ATRAC3 66/105kbpsやATRAC3plus 48/64/256kbpsに変更することもできる。ビットレートの変更はW31Sへの転送時にも可能となっており、高ビットレートでHDDに保存しておき、W31Sへの転送時にはビットレートを下げてメモリースティックの容量を節約するといったことが行える。

 着うたフルはauの携帯電話ならではの楽曲入手方法で、端末内で購入からリスニングまでが完結する簡便さが魅力。配信楽曲のコーデックはHE AAC/48kbps。単純にビットレートだけを取り出せば低い数値といえるが、試聴してみた限りでは自分でCDリッピングしたATRAC3 132kbpsと比べても遜色ない音質であるように感じる。

 W31Sの楽曲入手機能は、NW-E405/407(レビュー)やNW-HD5(レビュー)など、SonicStageをライブラリに使用するソニー製のデジタルオーディオプレーヤーとほぼ変わらず、着うたフルを活用できる分だけ、手軽に最新曲を入手できる利便性がある。

 しかし、実装されているソフトウェアの問題で、音楽再生については128MバイトまでのメモリースティックDuoまでしか対応していないのには不満が残る(写真やムービーについては1GバイトのメモリースティックDuoまで対応している)。着うたフルについては本体メモリ(18Mバイト)に保存するので、正確には音楽プレーヤーとしてのメモリ上限は128Mバイトではないが、SonicStageで標準のビットレートであるATRAC3 132kbpsで楽曲を転送すると、約CD 2枚分しか転送できない。512Mバイトや1GバイトのメモリースティックDuoが発売されていることを考えると、改善を望みたい点だ。

 iPodの楽曲インポート方法はおなじみのiTunesで、CDリッピング時にはエンコード形式をAAC、MP3、AIFF、AppleLossless、WAVから選ぶことができる。iPod本体が再生できるファイル形式も同様だが、加えてプロテクト付きAAC(iTunes Music Storeでの配信形式)もサポートされる。

photo iTunesはCDリッピング時には5種類のエンコーダを選択できる

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