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さらに磨きをかけた普及機の“定番”――エプソン「EMP-TW20」レビュー:劇場がある暮らし――Theater Style(4/5 ページ)

» 2005年07月08日 17時49分 公開
[本田雅一,ITmedia]

やや不満の残る端子構成とリモコン

 本機にはHDMIもしくはDVIといったデジタル映像インターフェイスは備わっていないが、そもそもパネル自身の解像度が480Pレベルなので、将来的にもこれが問題となることはないだろう。

photo 背面のインタフェース

 アナログ映像端子はコンポジットビデオ、Sビデオの他、2系統のコンポーネント映像(うち1系統は同期信号が独立した5端子での接続も可能。RGB入力も兼ねている)と、数そのものは不満はない。しかしコンポーネント映像端子のうち、1つはD端子の方が日本のAV環境には合っている。

 またリモコンの使い勝手が相変わらず良くないのも気になった点だ。操作パネルが英語表記である事に加え、ボタンひとつひとつが小さく押しにくい。視聴中、頻繁に操作することはなく、細かな調整を頻繁に行うタイプの製品でもない事を考えれば、さほど大きな欠点ではないが、せめて表記ぐらいは日本語化してほしいところだ。

photo 操作パネルが英語表記なのが残念なリモコン

暗いシーンでの描き分けが大きく改善

 元々、エプソンの家庭向けプロジェクターは、万人受けする絵作りになっている。トーンカーブを細工して極端に黒側の沈みを演出するといった事はなく、明るく・元気よく映像を見せる。どちらかといえば明るいリビングで使う事の多い液晶テレビなどとの共通項が多い絵作りだ。

 特にテレビ放送に多い明るいシーンには強く、青い空や海、鮮やかな花びらなどは、ハッとするような鮮やかな色で描き出す。子供向けのアニメやスポーツ番組、またテレビドラマなどの投影で、本機の画質に不満が出る事はないはずだ。従来機(EMP-TW10H)の頃から高輝度シーンの多いソースは得意だったが、EMP-TW20ではさらに完成度を上げ、より色純度が高くスッキリした絵になっている。

 しかし最も変化したのは、エプソンシネマフィルターを使うモード。中でもシアターブラック1および2の追加が、本機の実力を大きく底上げしている。シアターブラック時の輝度は350ルーメンと低く、完全に遮光ができた部屋でもゲイン1程度のマットスクリーンで80インチ程度が適正だ。あるいはやや白ピークの伸びやかさが足りなくなるが100インチ程度まではリビングルーム使用でも使えるだろう。

 全体の明るさが抑えられた事で、黒浮きはかなり抑えられ、よほど真っ暗なシーン以外では黒浮きをさほど意識しなくても済む。コントラストのスペック値は1000:1で、白ピークの伸びに不満は出るかもしれいないが、暗部表現での不満はあまり感じないだろう。

 これまではストンと落ちて階調がなくなっていたような低輝度シーンにおいても、きちんとディテールを描き分けるため、暗いシーンが多用される最近のハリウッド映画も十分に楽しめる絵で映してくれるハズだ。この点も、はやり上位モデルであるEMP-TW200Hを超えていると感じる部分だ。低輝度部の色かぶりもほとんど見られない。

 なお視聴中の騒音に関しては、目の前や頭のスグ上にある時には、ランプモード高の時にはファンノイズがやや気になる。しかしランプモード低のシアターブラック1もしくは2ならば、目の前のテーブルやソファのサイドテーブルに置いたとしても、きちんと映像そのものに集中できるだけの静かさがある。

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