ITmedia NEWS >

“どこでもDVD”生活を3万円弱で――東芝ポータロウ「SD-P1600」レビュー:ポータブルDVD特集(3/3 ページ)

» 2005年07月27日 13時42分 公開
[浅井研二,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 本体の入出力端子類はすべて左側面に配置され、電源端子も例外ではない。充電は本体にACアダプターをつなぎ、バッテリーを装着した状態で行う。ただ、注意しないといけないのは、ACアダプターを接続していても、本体の電源がオンになっていると充電が行われない点だ。うっかりと忘れてしまいがちなので、電源オフでも充電される仕様にしてほしかったところだ。

photo 入出力端子はすべて本体の左側面に並ぶ。左から、音量調節ダイアル、ヘッドフォン2基、光音声ビットストリーム出力(ミニジャック)、AV出力、AV入力、TVチューナー用電源出力、電源入力。ビットストリーム出力ではDTSにも対応するが、本体でデコードできるのはドルビーデジタルとリニアPCMのみとなる

 マニュアルには、充電時間の目安が約4時間、バッテリーパック使用時の連続再生時間が約3時間と記されている。実際の計測結果もほぼこれに準じ、充電は約3時間半弱で完了。また、連続再生時間に関しても、3時間10分ほどで画面右上にバッテリー切れマークが点滅し、その後、1分ほどで自動的に電源が切れた。この状態で再度、再生ボタンを押すと、いちおう、頭から再生は始まるのだが、数十秒ほどでまた電源がオフに。しかし、いずれにせよ、3時間きっかりは持つと考えていい。

 さらに、バッテリーにはあまりよくないのかもしれないが、この空の状態から1時間だけ充電してみた。実際の使用時には、こういうケースも多々あるものだ。そして再度、連続再生してみたところ、約1時間10分持ちこたえてくれた。

 この製品で再生可能なディスクは、市販のDVDビデオのほか、DVD-R(ビデオモードで記録されたディスクのみ)、ビデオCD/オーディオCD(CD-R/RW含む)となる。どうやらVRモードの再生にはまったく対応していないようだ。試しに、VRモード記録のDVD-RWをファイナライズしてから入れてみたが、1分ほど悩んだ後、ディスクエラーと表示。ただ、DVD-RWでも、ビデオモードで記録したディスクは再生可能だった。

 また、CD-ROM/DVD-ROMへ書き込んだMP3やDivXファイルの再生などにも非対応。CD-ROM/R/RW(ISO9660 Level1/2、またはJoliet)に記録されたJPEGファイルの表示のみ可能だ。


 全体の印象としては、ハードウェア、インタフェースともに、しっかり作られた部分がある一方で少々チープに感じる部分もかなり混在しているのだが、3万円以下という価格を考慮すれば、文句は言えまい。

 ただ、最も困ったのは、4:3と16:9の画面を自動的に切り替えてくれないこと。映像調整ボタンを3回押すと、「明るさ」「カラー」のあと、「画面サイズ」と表示され、「4:3ノーマル」と「16:9ワイド」のいずれかに設定しておけるが、前者にしておくとワイド収録の作品は縦長に潰され、後者にしておくと4:3収録のものが横に引き伸ばされてしまう。

 まあ、これは(面倒だが)手動で設定すればすむ問題なのだが、スクイーズ収録ではないワイド映像(つまり、上下黒帯つきの4:3画面で収録)を画面いっぱいに拡大する手段がまったく用意されていない。こうした作品(市販のディスクでは数は少ないものの、手持ちの中にも何枚かある)では、正しいアスペクト比にするため、「4:3ノーマル」にしないといけないのだが、そのままでは映像が画面中央に小さく表示される。この製品には2/3/4倍でのズーム再生が可能なので、リモコンのズームボタンを押せばなんとかなりそうだが、「4:3ノーマル」ではズームを押しても、なんと表示は4:3の範囲内のみにしかされない。つまり、拡大しても、画面の両端は黒いままなのだ。

 このあたりは別に、“低価格なんだから直すのは無理”という問題ではないので、(特にインタフェースに関しては)もう少し作り込みが必要だったのではなかろうかと思う。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.