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コラム
» 2005年08月08日 10時00分 公開

急速に拡大するVOD事業の夢と現実(後編)小寺信良(1/4 ページ)

前回はVODが抱える問題として3つの縛り(ISP/回線網/PC)を説明したが、今回は実際にVOD導入から視聴までをテストしてみた。加入したオンデマンドTVへのインタビューも紹介。

[小寺信良,ITmedia]

 前回のコラムを掲載したまさに同日、ぷららネットワークスとオンラインティーヴィが運営するVODサービス「4th MEDIA」が、ISPに縛られないサービスを展開すると発表した。

 前回のコラムでは、VODが抱える3つの縛りとして、ISP縛り、回線網縛り、PC縛りという話をしたわけだが、「4th MEDIA」が早くもISP縛りから抜け出して「回線網縛り」フェーズへと移行を果たしたわけである。元々このサービスは、ISP縛りとはいいながらも対応プロバイダーの数が多く、また運営母体のぷららネットワークス自体がNTT東日本の子会社であることから、ISP縛り撤廃への移行は、驚くにあたらない。

 さて、前回お約束したように、今回は実際にVODサービスの導入から視聴までをテストしてみたい。数あるVODサービスの中でどれを試すか、ということになるわけだが、VODの3つの縛りの中で比較的納得できるサービスとして、「オンデマンドTV」を選択した。

 このサービスは、NTT Bフレッツ接続が必須という回線網縛りではあるが、ISP縛りはない。作品は、専用端末を使ってテレビで視聴できる。そう思い立って申し込んだのが、実はこの6月の末。そこから実際に映像が見られるまで、約3週間かかっている。

VOD導入時におけるゴタゴタ

 結局その3週間は何だったのかというと、Bフレッツの工事待ちだったのである。筆者宅はISDN全盛時代からCATVのネット接続に乗り換えたため、ADSLもBフレッツも引いていなかった。だが筆者宅マンションには、すでにBフレッツ回線が来ていることは知っていたので、申し込めばすぐに開通するだろうと思っていた。しかし実際はこれだけ待たされるわけである。

 現在日本の家庭でブロードバンドといえば、6割ぐらいがBフレッツであることを考えれば、この期間のロスはすでに吸収されている家庭も多いかもしれない。しかし新規で加入すれば、今でもこれぐらいかかるということは、頭に入れておくべきだろう。

 また申し込みに関しての条件も、いろいろと難しい話になった。Bフレッツ マンションタイプの販売代理店担当者の弁によれば、工事費無料キャンペーンを利用してのBフレッツ申し込みは、かならず販売代理店推奨ISPの申し込みとセットでなければならないのだという。

 今どき初めてインターネットに繋ぐわけでもあるまいし、筆者も出張やモバイル用として汎用のISPアカウントぐらい持っている。だが工事費や加入料などの初期費用は、ISPからのキックバックで相殺するなどのテクニックがいろいろあるようだ。こういう仕組みの複雑さも、余計な混乱を招くだろう。

 結局一時的に某ISPに入会して、無料期間中に解約してはどうか、ということで話が着いた。この決着は、筆者にとってはいい条件だが、ISPにとってはいい迷惑であろう。そもそもこういう仕組みにならざるを得ない元凶は、局内工事と家庭内にVDSLモデムを設置するだけで1万円也の工事費に根拠があるのか、というところに集約される。

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