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2万円弱のMicroDrive対応ムービーカメラを使ってみたレビュー(3/3 ページ)

» 2005年08月26日 23時49分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 撮影時にはオートフォーカスが使える。一般的なカメラと同様に、シャッターを半押しすれば、ギギギギとかすかに動作音がして焦点を合わせてくれるので、そのままボタンを押し込めばいい。また、設定を変更すれば、動画撮影時にもオートフォーカスが利用可能だが、「使うと若干ノイズ(フォーカス動作音)が入るが、いいのか?」という趣旨の警告メッセージが表示される。

 ただ、撮影品質自体、フォーカス云々以前のレベルなので、使っても使わなくてもいずれにせよ大差はない。動画撮影中にシャッターを押せば、手動で「無限大(2メートル以上)」「人物(1〜2メートル)」「マクロ(40センチ〜1メートル)」の3段階で焦点が切り替えられるので、そっちを使ったほうがいいだろう。

 そのほか、動画撮影では設定らしきものはほとんどないが、カーソル右を押せば、+1→+2→+3→−3→−2→−1→+0と露出調整は行える。また、設定メニューではエフェクト(モノクロのみ)撮影も選択可。

 静止画撮影モードでは、露出調整に加え、カーソル左を押してフラッシュモード(強制発光/自動/オフ/スローシンク)を選べる。また、エフェクトはモノクロ以外にセピア/ソラリも用意されるほか、ホワイトバランス(自動/昼光/曇天/蛍光灯/電球)、ISO(自動/100/200/400)の設定も可能だ。

photo 前面には静止画撮影時に利用可能なフラッシュを内蔵している。通常のビデオカメラならファインダーがある位置には、動画撮影、再生、静止画撮影、ボイスレコーディング、設定の各モードを切り替えるダイアルを配置

 再生モードは、静止画と動画の両方を同列に扱う。通常はカーソル左右で1枚ずつ移動していくのだが(動画は最初のフレームを表示し、シャッターで再生開始)、ズームレバーをW側へ入れることで、サムネイル一覧でも表示可能。ただし、この場合、カーソル上下はあくまでページめくりで、ページ内の移動はカーソル左右しか使えない。さらに、選択はENTERではなく、ズームレバーT側でしか実行されないのは少々ややこしい。

 撮影品質に関しては、静止画は意外にも(?)必要十分なレベルを確保している。2832×2128ピクセルは前述のとおりソフトウェア処理なので、いかにも拡大処理しましたよという印象の映像になるが、2304×1728ピクセルであれば、細かい部分や輪郭を見ても、しっかりと描写されている。色のりもよく、むしろ、やや濃厚すぎるほどだ。

 一方、動画のほうはいただけない。カラーノイズが著しく、ジャギーもかなり目立つ。640×480でも解像度は特に高く感じず、また、352×288以下でも決して動きが滑らかにはならない。フレームレートについては、平均で見ると、640×480では10fps程度、352×288以下でも20fps程度にとどまるようだ。

 現在では、2万円台のデジタルスチルカメラにも、レベルの高い静止画撮影に加え、なんらかの動画撮影にも対応可能な製品が存在する。そのため、400万画素CCD搭載という点だけで、「DN-HDDV8000」が存在をアピールするのは、なかなか難しい。しかし、比較的大容量のCFカードを所有する人であれば、同スロットに着目して、購入時の選択肢の1つとして考えてみてもいいだろう。


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photo さまざまな風景を試し撮りしてみた。いずれも2304×1728で撮影。暗部もそれなりに表現されるが、極端な逆光はやはり苦手のようだ
photo 352×288での動画撮影サンプル(動画はこちらをクリック)。カクカクとズームが動作する様子がわかる。毎秒最大30フレームでの撮影が可能なはずだが、動きはあまり滑らかとはいえない
photo 640×480での動画撮影サンプル(動画はこちらをクリック)。ジャギーがかなり目立つため、見た目の解像度は352×288と比較しても、それほど変わらない印象だ
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