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デジタルチューナーで“武装”したハイエンド――東芝「RD-X6」登場(2/2 ページ)

» 2005年09月28日 15時55分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 逆に、従来のRDエンジンに含まれていたビデオデコーダー(A/Dコンバーター)は別チップになったが、10bit/54MHzと従来機より高速化している。また3次元ノイズリダクションと3次元Y/C分離が同時に動作できるようになるなど、記録回路を全体的にブラッシュアップした。一方の再生系では、148MHz動作のオーバーサンプリングHD対応ビデオエンコーダーなどを搭載。アップスケーラ回路も進歩して、新たにD4出力に対応している(RD-Z1はD3出力まで)。

 デジタルチューナー搭載に伴い、GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)も一新した。まずデジタルテレビを前提とした16:9のワイド画面を採用。さらに「簡単メニュー」「見るナビ」「編集ナビ」は、「それぞれ自己完結する」(片岡氏)ようになった。

photo 「編集ナビ」の画面。決定ボタンを押すと機能選択がポップアップして、再生や一括フォルダ間移動など、従来は「見るナビ」に切り替える必要があった操作まで行える

 たとえば「編集ナビ」では、ポップアップメニューの中に編集関連機能と混じって「再生」や「フォルダ整理」といった項目があり、再生から編集まで一通りの操作が行えるという。「実は、新しい編集ナビは従来の“見るナビ”+“編集ナビ”。ここから録画番組のフル再生やフォルダ整理、フォルダ作成といった操作まで行える」(片岡氏)。

photo 「見るナビ」は、新たに番組タイトルのリスト表示にも対応した。従来通りのサムネイル表示ももちろん可能で、フォルダは最大24個まで設定できる。見るナビ画面からダビングや番組削除も可能だ

 片岡氏によると、多様化するユーザーに合わせて各ナビ画面の機能を拡張し、使用頻度の高い機能をそれぞれくわえたという。たとえば「簡単メニュー」はエントリーユーザー向け。対して「見るナビ」は一般ユーザー向け、「編集ナビ」は中・上級者向けといった具合だ。

photo 「番組ナビ」もワイド画面化でタイトル文字数が増えた。スカパー!やCATVのチャンネルもシームレスに表示できるのもRDシリーズの特長だが、今回は好みのチャンネルを絞り込んで3パターンまで登録しておけるようになった。たとえば、家族それぞれが好みの番組表を作ったり、専門チャンネルをジャンルごとに分けたりできる

 編集機能もデジタルチューナー搭載に合わせて機能を拡張した。たとえば、ハイビジョン映像もフレーム単位で編集可能だ。チャプター分割後にプレイリストを作成し、必要な部分だけをDVDへレート変換ダビングしたり、D-VHSへそのままの画質でムーブ(i.Link搭載モデルのみ)することもできる。「ハイビジョン番組のフレーム編集は、他社が意外とできていない部分だ。RDなら、ハイビジョンもアナログ放送と同等の編集が行える」(片岡氏)。なお、録画番組から本編だけを自動的にチャプター設定する「マジックチャプター」もあるが、「RD-X6」だけは非搭載だ。

 自動録画機能には、登録したキーワードに合致する番組を自動録画する「お気に入り」とレギュラー放送をダブらずに録画できる「シリーズ」という2種類を搭載。また、通常のユーザー予約と自動録画予約の両方で、録画優先度を各2段階に設定できる。この設定を「最優先」(ユーザー予約の場合)にしておけば、放送時間帯が変更されてほかの番組とぶつかっても優先的に録画される仕組みだ。このほか、「ネット de ナビ」は、新たに「おまかせ自動録画の設定」や「番組表の絞り込み設定」「おまかせ自動予約のメール通知」といった機能が付いている。

 東芝では、デジタル放送対応機が全体に占める割合が8月に12%を超えた点に着目。昨年の「アテネオリンピック特需の反動で苦戦が続くデジタルAV機器市場において唯一伸びている」としてデジタルチューナー搭載モデルのラインアップを揃えたという。「ユーザー心理を分析すると、2011年のアナログ停波を控えてデジタルチューナー搭載モデルを“安心感”で購入しているようだ。年末には構成比で20%に達するのではないか」(同社)。

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