HDD内のメディアファイルは、DVDメディアと同じように扱える。HDDを内蔵すると、ログインページにネットワーク上のサーバやDVDメディアと並んでHDDの名称が表示され、選択すると「動画」「音楽」「写真」というメニューに移動。ここでメディアの種類を選び、HDD内のディレクトリを辿って目的のファイルを見つければいい。
動画再生時の早送り/早戻しは4段階。最初にメディアファイルのスキャンを行い、そのあとで早送り/早戻しが始まるスタイルだ。従来機種との違いといえば、早送り/早戻し時の画面表記が英語になった程度で、これは「見栄えを重視したため」(同社)。
HDDを内蔵したこともあって、従来機と比べて作動音が大きくなったのが少し気になったが、メディア再生を邪魔するほどではない。それより、DVDメディアに入りきらないシリーズ物のコンテンツでも1箇所にまとめられる容量的な余裕と、DVDメディアを出し入れする煩雑さから解放された点が有り難い。
実際、DVDメディアのローディング時間というのは、けっこうイライラするもの。大容量HDDにコンテンツを詰め込んでおけば、PCをサーバとして常時通電しておく必要もなくなる。従来機種「DVX-600」の6000円アップに抑えた点も評価できるだろう(有線モデルのM10なら3000円の価格差)。
残念なのは、内蔵HDDへの“書き込み”がサポートされていない点だ。内蔵HDDにメディアファイルを追加するときは、PCの5インチベイ用ハウジング(DVDirectの販売価格は1980円)を利用してPC側のベイに差し込むか、USB端子に接続する外付けカートリッジケース(DVDirectでは4980円)を購入するか、はたまたPCケースを開けてベアドライブとしてつなげるか……ということになる。
もし内蔵HDDへの書き込みが可能になり。ネットワーク経由でファイルを取り込んだり、TransGearのUSBポートからHDDに保存できるようになると、利便性はさらに高くなるはず。これまでも、ファームウェアや「Ultimate Server」の提供など頻繁にアップデートを行ってきた同社だけに、大容量ストレージを生かす機能追加にも期待したい。
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