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HDMI装備で8万円弱の27型ハイビジョン液晶――バイ・デザイン「d:2737MJ」レビュー(2/3 ページ)

» 2006年05月29日 17時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 入力端子はHDMIが1基、PC(ミニD-sub15ピン)が1基、D端子(D4対応)が2基、そして、ビデオ(コンポジット)が2基で、各々に音声入力(PC音声のみステレオミニジャックで、それ以外はすべてステレオRCAピン)が用意されている。最初、ビデオ入力はコンポジット端子のみかと思ったが、右側面にS映像端子が1基だけ装備されていた。

photo 背面にはHDMI端子、PC入力、D端子×2、ビデオ入力(コンポジット)を装備し、各々にステレオ音声入力がついている。外部スピーカーを利用できるよう、音声出力も装備
photo S映像入力にも対応可能な「ビデオ3」は本体側面に配置されている。ビデオカメラやゲーム機との接続を想定したためだろうか

 入力切替は本体あるいはリモコンの「入力選択」を押せば、「ビデオ1」→「ビデオ2」→「ビデオ3」→……→「HDMI」→「PC」などと、ワンボタンでトグルしていけるのだが、切り替え時の反応が少々鈍いうえ、バッファもたまってしまうので、やや操作しづらい。最初はリモコン自体の反応が鈍いのかと思ったが、電源ボタンを入れると、すぐに電源ランプが赤から青に変わるので(ロゴの表示後、映像が出るまでには時間がかかるが)、そういうわけではないようだ。

photo 本体のボタンは上部に配置。左から「メニュー」「消音」「音量(小)(大)」「選局(下)(上)」「入力選択」「電源」となる

 リモコンの下部に並ぶ「放送」「AV」「コンポーネント」「デジタルHD」を押して直接選択を行えば、切り替えはスムーズ。表記が少しわかりにくいが、「放送」は内蔵チューナー(アナログ)、「AV」はビデオ1〜3をトグル、「デジタルHD」はHDMIということになる。

デジタル放送も十分に楽しめる映像品質を確保

 さて、まずはDVD/HDDレコーダーをHDMI端子へ接続して、デジタルハイビジョン番組を再生してみた。最初はやや色が薄いような印象もあったが、見続けていると発色は特に悪くなく、むしろ、色合いは自然だ。濃厚な絵づくりではなく、すっきりとした印象を目指しているように思われる。実際、その映像は8万円以下という価格を感じさせない立派なものだ。残像も気にならないレベルに抑えられている。

 映像設定は、明るさ/コントラスト/色の濃さ/色合いをユーザーが調整可能な「標準」のほか、「自然」「強調」のプリセットが用意されている。ほかの製品では「強調」「ダイナミック」といったモードは、個人的にはあまり利用しないのだが、この製品では「強調」に設定しても、決してぎらついた映像にはならず、むしろ「自然」では少し薄く感じる人が多いだろう。また、「オフ」というモードもあり、d:engineなどの映像調整回路をまったく通さないという意味だと思われるが、特にニュートラルなわけでもなく、単なる締まらない映像になってしまうため、使用する機会はほとんどないだろう。

 少し困るのが、映像設定はPC以外の全入力で共通になってしまうことだ。つまり、HDMI、コンポーネント、S/コンポジットビデオの個別で、映像モードを変えたり、調整した内容を記憶させたりはできない。もちろん、調整がまったく不要であれば、それでも問題はないのだが、少なくとも今回試用した環境では、同じソースをHDMIとコンポーネントで比較した場合、明るさだけを見ても、調整値でいえば±5程度の違いがあったので(HDMIのほうが明るめ)、やはり個別に調整を行いところだ。

 また、内蔵スピーカーの出力音声に関しては、デフォルトでサラウンド(BBE)がオンになっていることもあり、広がりはかなりいい。ただ、音のバランスはいまいちで、たとえば、BGMが常に流れているトーク番組などでは、なぜか音楽が前に出すぎて、メインの会話が遠く感じられ、聞き取りづらいケースもあった。オーディオ設定で「サラウンド」から「標準」モードへ変更し、さらに、デフォルトで「低音:+5」「高音:−5」となっていたのを、双方とも0へ設定してみたが、いずれにせよ、どうも落ち着かない音響だ。また、特に高音は歪みがちで、ノイズもわずかに乗っている。

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