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「キヨモリ」見参

» 2006年06月07日 15時04分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 テムザックの最新型二足歩行ロボット「KIYOMORI」(キヨモリ)が、東京・日本橋の高島屋正面入口に姿を現した。弟分の家庭用留守番ロボット「ロボリア」の販売PRイベントを応援するため、はるばる九州から馳せ参じたという。江戸上陸は初。

photo テムザックの最新型二足歩行ロボット「KIYOMORI」(キヨモリ)が高島屋正面入口に登場
photo 甲冑の奥で眼が光る。キヨモリの甲冑は、黒澤明監督作品やNHK大河ドラマなどに多数の採用例がある丸竹産業が製作した特注品

 キヨモリは、テムザックが早稲田大学の高西淳夫研究室と共同開発した等身大の二足歩行ロボットだ。全高160センチ(鍬型含むと全高は185センチ)、重量は74キロ。骨盤の2自由度回転運動を利用することで歩行時の“膝の曲げ伸ばし”が可能になり、より人間に近い歩行スタイルを実現している。

 平安調の鮮やかな甲冑に身を包んだキヨモリは、同じく甲冑姿の武者2人を従えて登場。そのスムーズな動きに報道関係者や買い物客の視線が釘付けになる中、応援メッセージを送った後、椅子に座るなどのデモンストレーションを披露した。

photo スムーズな動きで椅子に座る

 キヨモリの背後では、なぜか2体の「江戸型山車人形」がイベントを見下ろしている。貴重な歴史文化財と最新型ロボットのコラボレーションは、PRイベントとは思えない奇妙な和の空間を作り出していた。「当初はどこでイベントを行うか迷ったが、全く別のイベントで江戸型山車人形が里帰りしていたので、一階正面玄関に決めた。和のテイストがぴったりでしょう?」(高島屋)。

photo 2体の江戸型山車人形。獅子の「石橋」(しゃっきょう)と龍神の「玉ノ井」(たまのい)が見下ろしていた。これらは江戸時代に地元町内会が秋祭りなどに使用していたもので、明治期に千葉県佐倉市に譲られ、今回はちょうど“里帰りイベント”の最中だった
photo 歩く姿もスムーズなキヨモリ。横の写真はキヨモリの休憩所兼「九州テムザック隊」本陣
photo 一応、今回の主役である留守番ロボット「ロボリア」。キヨモリに刺激されたか、床の上を忙しく走り回っていた

 ロボリアは、テムザックが昨年発売した家庭用ロボットだ。カメラや人感センサーを備え、宅内の異常を検知するとテレビ電話回線を使ってユーザーに警告する留守番機能を持つ。丸みを帯びた外装は半透明で、内蔵LEDの光が漏れてフロアライトとしても使用できる。価格は29万4000円。

 高島屋広報によると、4月に「ロボリア」の無料貸しだしサービスを開始したところ、「1日で50件以上の問い合わせ電話があった」と好調な滑り出し。さらなる販売につなげるため、貸しだし台数を増やす予定だという。「イベント期間中は、1階の正面口で貸しだしの受付を行う。また成約(購入)した方には先着でロボリアを持ち運ぶことができる限定バッグをプレゼント」。

photo ロボリアオリジナルバッグ

 PRイベントは6月7日と8日の2日間の予定だ。キヨモリが登場するのは、12時と15時の1日2回。ちなみにキヨモリは、このイベントの後、フランス・ボルドー市で開催される「ボルドーワインフェスティバル」へ参加するため、いよいよ海外へ旅立つという。

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