――今回は7チューナーを搭載して2番組同時録画の利便性が向上していますが、「裏録」機能は従来モデルから引き継ぎました。AQUOSレコーダーの特徴ともいえる「裏録」ですが、なぜ2つの録画ユニットを同じように扱わないのでしょう。
片方を“裏”に回すことで、操作性が向上できるからです。レコーダーの中で、「裏録」は完全に独立した部分だけで動作しますから、裏録中でもほかの機能――たとえばEPGや録画番組の再生など、ほとんどの操作が全くストレスなく動きます。
制限としては、裏録中は電源を切れないこと。そして表側(1つめの録画ユニット)を使用しているときに裏録番組をみることができない点が挙げられますが、これは制限というより“バッサリ切った”部分です。これによって、2番組を同時に録画できる利便性を備えつつ、シングルレコーダーと同じ使い勝手を実現できました。
たとえば他社製品のいくつかは、どっちの画面(録画ユニット)も見ることができる反面、インタフェースが煩雑になりがちで、ユーザーにある程度の理解を求めます。またDV-ARW22/25を含め、(デジタル放送2番組同時録画機は)MPGE2エンコーダーを1つしか搭載していない。ですが、「片方の録画ユニットはTS録画だけ」という制約は、一般のユーザーにとって分かりにくいでしょう?
――幅広いユーザー層に向けた仕様というわけですね。
われわれは、一貫して“家電的なアプローチ”をとっています。「裏録」以外にも、たとえば「ヘルプ機能」が特徴的です。他社製品にも同様の機能はありますが、AQUOSレコーダーの場合は“紙芝居形式”。BMLブラウザを利用して動画を表示しています。
またヘルプでは、博士と子どものキャラクターが登場して、子どもの質問に博士が答えるというスタイルで解説が進みますが、これは「オーバーハードコミュニケーション」(OC)と呼ばれる理論に基づいています。
たとえば、何かわからないことがあってヘルプを開いたとき、あまりにも初歩的な解説が続くと「そんなこと、知ってるよ」と反感をもつことがありませんか? しかし、それが自分に対してではなく、他人が言われていることなら抵抗感なく受け入れられるものです。
それからもう1つ。先ほどのBMLブラウザにも関係しますが、シャープのDVDレコーダーでは、デジタル放送録画時に付随するデータ放送も一緒に記録しています。必要ないという人も多いでしょうが、たとえばスポーツ中継の途中で帰宅して、「おっかけ再生」するとき。選手のデータを見たくなっても、データ放送を記録していない他社製品では見ることができません。われわれはライブ感覚の追っかけ再生を目指したわけです。
DVDレコーダーは多機能化も進んでいますが、シャープとしてはあまり知識がない人でもストレスなく使えること――“できることが多い”製品より、“できないことが少ない”製品の方が大事だと考えています。
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