今回のワールドカップを機会にハイビジョン録画対応レコーダーを購入している読者も多いことだろう。いや、まだ購入していない、というならば、今からでも検討してみてはいかがだろうか。
サッカーの場合、16:9の横長画面と高解像度が実に具合よく、一度ハイビジョンで見始めるともう標準画質には戻れない。そして今回のワールドカップは時差7時間。現地昼間の試合ならば、なんとか通常の仕事を持つ人たちでも観戦が可能な時間帯で放送されるが、さすがに現地夜の試合ともなると日本では深夜の放送となり厳しい。
今回は、発売中のハイビジョンレコーダーから、特徴的な製品をピックアップして推薦することにしたい。日本代表の初戦は残念な結果だったが、まだまだ先は長いのだ。
サッカーの試合は長い。もちろん生放送ならば、会場の緊張感を共有しながら観戦となるが、結果がすでにわかっている試合や、本命ではない試合の内容をチェックする際には、手早く良い場面だけを観たいものだ。
そんなわがままを、かなり高い精度で実現してくれるのが日立製作所の「DV-DH1000D」「DV-DH500D」である。
本機の詳細なレビューはすでに本サイトでも掲載済み。盛り上がった場面を自動的に選んでくれる「いいとこ観」は、番組情報から番組ジャンルを取得し、番組に合わせた手法で盛り上がった場面を抜き出してくれる。何分間のダイジェストにするかも選択することが可能なため、1試合を15分でチェックし、その日あった4試合を1時間で観るなんてことができてしまう。
同様の機能は、昨年、三菱電機のレコーダーが実現していたが、こちらはSD専用レコーダーだった。三菱電機の方式は音声パターンをチェックし、歓声などを認識して盛り上がった場面を抽出するというもの。
この方式による抽出もかなり便利で、当時はなんと便利になったものかと感動したが、日立の「いいとこ観」は音声パターンに加え、映像の場面転換や動きも参考にしながら、大切な場面を逃さないよう工夫しているという。たとえばスポーツ番組ならば、大きくスコアが映し出されれば、その直前に点が入った可能性が高い、といった重み付けを行うようだ。
この機能と早見再生を組み合わせると、あっという間に試合の大切なところとチェックできる。いいとこ観をしながら、この先も観たいと思ったなら、すぐに通常再生に戻ることもできる。
このDV-DH1000Dと同世代には、ソニーのスゴ録シリーズ(RDZ-D97A、RDZ-D77A)もほぼ同様の機能を搭載している。こちらも操作性の面では優れており、加えてHDVカメラ(ハイビジョンカムコーダー)やPSPとの連携機能など、日立のWoooにはない特徴もある。
また画質面でもデジタル放送特有の歪みっぽさが軽減されるDマトリックスNR HDが有効に働く。このノイズリダクションは動きが早く細かな絵柄で特に有効に感じるため、サッカー番組にはもってこいの機能だ。DVD作成に関しても、画質面ではソニーの方が有利とみる。
しかし、残念ながらソニーの「スゴ録」シリーズにはi.Linkが装備されていない。このため録画した番組はハードディスクに保存しておくか、あるいはDVDへとダウンコンバートするかの二者択一を迫られる。
日立のWoooシリーズが優位なのは、まさにこの点。まずハードディスク容量が大きく、DH1000Dであれば1Tバイトもの容量がある。そして互換性に関しては完全とは言えないものの、i.Link端子を装備している。
i.Linkでの接続性はシャープ製レコーダーよりは低く、対応D-VHSデッキも数が少ないが、アイ・オー・データ機器のHDDレコーダー「Rec-POT」へのムーブをサポートしているため、いったんRec-POTを経由させて別のメディアに移動させることが可能だ。また今後発売予定の日立製Blu-ray Discレコーダーへのムーブは対応すると明言している。
次世代光ディスク前夜のこの時期、絶対に外の機器にはムーブできない機種に比べれば、録画した中身をより柔軟に運用できる方が望ましい。
「いいとこ観」を装備したダブルハイビジョン録画「Wooo」(後編)
日立製作所のWooo新製品「DV-DH1000D」は1TバイトHDDとダブルデジタルチューナーを搭載したハイエンドモデル。基本機能とダイジェスト再生機能を紹介した前編に続き、後編では編集機能とダビング機能を中心に検証していこう。
「RDZ-D97A」は、ソニー「スゴ録」の2006年春夏モデルのフラッグシップ。基本機能は昨年の冬モデルと同等ながら、「RDR-AX75」で採用された「おでかけ・スゴ録」機能を搭載するなど、録画した番組を快適に「見る」ための機能追加が行われている。
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