「HitPot」のEPGは、地上/BS/CS系専門チャンネルを区別なく表示できる“シームレスEPG”と呼ばれるもので、レスポンスも悪くない。従来のSTBと比較すればかなり早くなった(比較対象のDCH250が古すぎるという話もある)。ラ・テ欄式の画面は3/5/7/9局の表示切り替えが可能で、ユーザーの好みに合わせて調整できる。
チャンネル数が多いだけに、いったんEPGで番組を探し始めると横スクロールが大変だが、後述の「お好み選局」を選択するとあまり見ないチャンネルをEPGから省くことができる。番組検索も高速化され、ジャンル分けも細かいため絞り込みが容易になった。従来のSTBでは、使う気になれなかった番組検索が快適に行えるようになったのは素直に嬉しい部分だ。
録画予約の方法は、一般的なDVDレコーダーと変わらない。EPGで番組を選択して視聴予約(見るだけ)か録画予約を選択するだけ。もともとDRモード(TS記録)しかサポートしていないだけあって録画設定もシンプルだ。録画先としてHDDのほかに外部接続機器や、その両方を指定することもできる。
気になったのは、導入工事の際に業者の方が言った「3つめも予約できてしまいますが、実際には録画できないので気をつけて下さい」という言葉。実際に試してみると、重複予約の警告は出るものの、そのまま決定すると確かに3つめも予約できた。重複予約時には警告が出るため問題にはならないと思うが、一応気を付けておきたい部分だ。もちろん実際には2番組までしか録画されないが、前に予約した番組のどちらかが終了し、3つめの番組の放送時間が残っていれば録画を開始してくれる。
リモコンは松下お得意の「かんたんリモコン」STB版といった印象で、持った感じも使い勝手も悪くない。とくに「お好み選局」機能を使えば選局が非常に楽だ。「お好み選局」は、よく見るチャンネルだけを登録する機能。これを設定すると、前述のEPG表示にくわえ、よく見るチャンネルをリモコンの数字キーに割り当てたり、上下のチャンネル切り替え(順送り/逆送り)ボタンを押して好みのチャンネルだけを順送り/逆送りすることができる。多チャンネルが前提の機器だけに、選局方法をカスタマイズする機能は必須だろう。
リモコンの数字キーにお好みのチャンネルを割り当てる場合は、地上/BS/CATVを1〜12までの数字×3ページ登録可能だ。このため地上/BS/CATVのメディア切替ボタンと数字ボタンを組み合わせると目的のチャンネルに素早く移動できる。たとえば地上デジタルチャンネルから「ディスカバリーチャンネル」に移動するとき、「CATV」ボタン+数字キーという2ステップで済む。同じCS系チャンネルなら数字キーだけでいい。
「TZ-DCH2000」(HitPot)は、前述のEPGをはじめ、録画番組を一覧療治する「再生ナビ」、目的別メニューの「操作一覧」などを含め、ユーザーインタフェースは基本的にDIGAに極めて近い。ただし、よく見るとDCH2000には、DIGAの最新モデルにもない機能をいくつか持っていた。
たとえば「タイムキープ」は、東芝「REGZA」の“ちょっとタイム”と同様のタイムシフト機能だ。トイレなどで席を立つときにボタンを押すと、視聴中の画面が一時停止状態になって録画を開始。戻ってきて再生ボタンを押すと、続きをみることができる。ただし、タイムキープが有効なのは30分間となっているため、席を外した時間が30分を過ぎると、前のほうから録画データが消えていく点には注意したい。
もう1つ、DIGAにない機能が番組毎レジュームだ。再生ナビで番組を選び、カラーボタンの「グリーン」を押すと、前回停止した場所から再生してくれる。他社製レコーダーでは当たり前に実装されている機能だが、なぜかDIGAシリーズには採用されていなかった。
CM飛ばしに便利な「30秒スキップ」もあるが、行きすぎてしまったときの“少し戻る”ボタンがない。これもDIGA流だが、他社製レコーダーに慣れていると「早戻し」ボタンを推すのが少々かったるいのも事実だ。
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