TZ-DCH2000には、これまでに紹介した機能のほかに「VOD」「Tナビ」、「Webブラウザ」「SDカード再生」など多彩な機能がある。しかしイッツコムではVODを提供しておらず、またわが家の場合はCATVシステムが片方向だったため、WebブラウザやTナビも利用できなかった。もったいない気もするが、これは仕方のない部分だ。
なお、SDカード再生機能についてもi.Linkと同様、秋をメドにアップデータが提供される予定だ。説明書によるとデジカメ画像の一覧、スライド表示にくわえ、写真現像店にプリントを依頼する際にプリント枚数などを事前に設定できるDPOF(Digital Print Order Format)設定やSDビデオ再生(MPEG-4/.ASF)が可能になるという。
TZ-DCH2000は、レコーダーとしての機能はシンプルながら、便利な機能はしっかり抑えたソツのない作りで、使い勝手も悪くない。東芝RDシリーズなど高機能なDVDレコーダーに慣れていると物足りなく感じる面はあるものの、手軽に多くのチャンネルを見る/録画するという点において利便性はかなり高い。STB国内シェアNo.1の面目躍如といったところか。
もっとも、i.Link端子が使えない現状では、基本的に「見たら消す」という使用スタイルになることは念頭に置いておきたい。私の場合はもともと見たら消すほうなので全く違和感はなく、便利になった分、ズボラな視聴スタイルに磨きがかかった感じだ。
ただ、放送サービスを含めたトータルコストという点で考えると、少し首を傾げる部分もある。イッツコムの場合、HitPotは単体で貸し出すことはなく、TVサービスの中で最もチャンネル数が多く、料金も高い「ビッグ」コースにバンドルする形で提供している(Hot Potレンタル込みで6930円)。通常のビッグは月額3885円、一般的なSTBレンタル料が月額1100円(計4985円)のため、その差額は約2000円。J:COMに比べると追加投資額は多めだ。
また、筆者の場合は「エース」からコース変更したが、残念ながら追加された専門チャンネルにはあまり好みのものがなかった。個人的には、HitPotのためだけに従来より数千円も高い料金を払っているようなもの。できれば「ビッグ」以外のコースにもHitPotを利用できるプランを設定してほしい。
もちろん、この点はユーザー個々の好みが大きく影響するし、CATV局の戦略にも関わる部分だろう。しかしネット上の評判を見ても、同じ理由で導入を躊躇しているユーザーも多い様子だ。イッツコムの場合、ハイビジョンチャンネルを拡充する方針を明らかにしているので、まずはその展開を見守りたい。
J:COMでは、イッツコムでは提供されないVOD(J:COMオンデマンド)機能を既に実装しており、ペイパービューで購入手続きを行う場合と同じような方法で番組購入も行える。視聴はリモコンの十字キーと決定ボタン、青/赤/緑/黄のボタンで番組のジャンル選択、決定や、再生/停止/早送り/巻き戻し操作ができる。
前述した通り、HDRはHDMI付きのフルHD対応大型テレビ+ハイビジョンレコーダーを導入するまでの“つなぎ”と考えている。自宅は全世帯J:COM対応済みのマンションだが、地上アナログ/デジタル放送のパススルー出力にも対応しており(MXTVや千葉テレビなどは対応していないようだが)、STBを使用せずとも、かつアンテナ設置なしで地上デジタル放送は視聴できる。おそらく1年以内に物欲が噴出して購入してしまうだろう。
そのため、そもそも加入していた通常の「J:COM TV デジタルコース」(5229円/月。税込み)に、プラス840円/月(1万80円/年)でハイビジョンレコーダーをレンタルできると考えると、現状のコストパフォーマンスは高いと思う。
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