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キヤノン、最軽量の縦型HDVビデオカメラ「HV10」を発表新ブランド名は「iVIS」(1/2 ページ)

» 2006年08月02日 19時30分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 キヤノンは8月2日、ビデオカメラの新ブランド“iVIS”(アイビス)を立ち上げ、HDV対応ビデオカメラ「iVIS HV10」をリリースした。「iVIS」は、i(eye=瞳、愛)とvision(映像)を組み合わせたもので、「見たまま、感じたままに撮影できること」がシリーズのコンセプト。新ブランドと新製品投入により、年内20%のシェア獲得を目指す。

photophoto “iVIS”「iVIS HV10」(左)。写真は光沢感のあるブラックをベースにシルバーとのツートンカラーにした「グラナイトシルバー」。このほかメタリック塗装にハードコートを施した「バーニッシュシルバー」もラインアップ。右は「iVIS DC22」

 新製品の「HV10」は、民生用のミニDVテープに1080iのMPEG-2を1時間記録できるHDV規格準拠のビデオカメラ。価格はオープンプライスで、市場想定価格は15万円前後。ボディカラーは2種類あり、「グラナイトブラック」を9月上旬、「バーニッシュシルバー」を9月中旬に発売する予定だ。市場想定価格は15万円前後。

 また、「DC20」の後継となるDVDビデオカメラ「iVIS DC22」もあわせてリリースした。新たに8センチDVD-Rの片面2層記録をサポート。メディア1枚に最大108分の動画を記録できる。撮像素子は220万画素CCDで、静止画撮影も可能だ。店頭想定価格は9万円前後。

製品名 概要 カラー 想定価格(※1) 発売時期
HV10 HDV対応カムコーダ グラナイトブラック 15万円前後 9月上旬
HV10 HDV対応カムコーダ バーニッシュシルバー 15万円前後 9月中旬
DC22 DVDカムコーダ シルバー 9万円前後 9月上旬
※1:価格はオープンプライス

HDVなのに「1920」の意味

 HV10には、デジタル一眼レフカメラ「EOS DIGITAL」シリーズのCMOSセンサー技術をビデオカメラに応用した“動画用”「キヤノン HD CMOS」を採用している。プロセスルールの進歩で小型化した一方、開口率を拡大。画素内電荷完全転送技術などを含む独自のオンチップノイズ除去回路により、1920×1080ピクセル解像度の映像をノイズを低減しながら高速に読み出せるという。このためキヤノンでは、HD CMOSのPRに「1920CMOSハイビジョン」というロゴを使用する予定だ。

phootphoto 新開発の「キヤノン HD CMOS」(左)

 ただし「HV10」では、HDVの規格上、ミニDVテープに記録される映像が1440×1080ピクセルに圧縮されてしまう。同社イメージコミュニケーション事業本部副事業部長の国吉孝氏は、あえてHDVを採用した理由について「最大の要因は記録時間」と説明する。

photo イメージコミュニケーション事業本部副事業部長の国吉孝氏

 「たとえば、子どもの運動会やピアノの発表会などでは、友達のぶんまで撮影することが多く、最低でも1時間は必要だ。H.264など新しいコーデックもあるが、(HDVの)MPEG-2も周辺デバイスの進化などにより画質が向上しており、ビデオカメラトータルの画質は確保できると判断した。一方、H.264の画質は、現状では非常に微妙な位置にあり、今回は見送った」。

 なお、HDDやフラッシュメモリを使うビデオカメラについては「(保存や交換のために)2次媒体に落とす必要がある。Blu-ray Discなどインフラの状況を見極めたい」としている。

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