撮影や再生を行うには、本体手前にある電源スイッチを「切」から「カメラ」または「再生」へ切り替え、電源をオンにする。記録メディアは、右側面のスイッチで「テープ」「カード」を選ぶ仕組みだ。
初期設定メニューはMENUボタンで呼び出し、SETダイアルで操作する。この「再生/出力設定」のほか、手ブレ補正やデジタルズームなどの「カメラ設定」や「記録/入力設定」「システム設定」などが用意されている撮影のスタート/ストップボタンは、電源スイッチの中央に一体化されている。ズームレバーやフォトボタンも右側面にあり、これらはカメラ本体をホールドしたまま右手人差し指で操作可能だが、テープ/カード切り替えスイッチはやや無理があるので、左手を使ったほうがいいだろう。
残念なことに、「IXY DV M5」と異なる点として、「HV10」では「モードダイヤル」が省略された。電源スイッチの下に、「P」「AUTO」「SCN」を選択する撮影モード切り替えスイッチのみがある(それぞれ「プログラムAEなどの応用撮影」「フルオート撮影」「シーン選択による簡単撮影」)。「ポートレート」「スポーツ」など、SCNモードにおける「シーン選択」を行うには、FUNC.ボタンでのメニュー呼び出しが必要だ。
やや使いづらく感じたのは、左側面の液晶モニタを開いた部分にある再生制御系のボタンで、誤動作を防ぐためか、出っ張りがほとんどない形状なので、サーチなどで押しっぱなしにするときは少し操作しにくい。もちろん、リモコンは付属するので、あまり気になるようであれば、そちらを利用すればいいのだが。
miniSDを利用するカード(静止画)撮影では、テープ/カードの同時記録にも対応し、ビデオ撮影中にフォトボタンを押せば、カードへ1920×1080の静止画を保存可能だ。あるいは、ビデオ再生中にフォトボタンで、撮影ずみのビデオ映像からも静止画を切り出せる。その際、解像度は自動的に1920×1080へとスケーリングされる。

HDV撮影した動画から、「あとからフォト機能」(動画再生中にフォトボタンを押す)でカードへ静止画(1980×1080)保存したもの。同じ風景を静止画モードで撮影したファイルと比較すると、さすがにやや遜色はあるものの、それでも「キヤノン HD CMOS」のフルHD読み出し性能は十分に感じられる品質だ。解像感だけでなく、色の表現能力も高いまた、キヤノンのビデオカメラではおなじみの、9点AiAF、連写機能(どの画像サイズでも、5コマ/秒で60枚まで連続撮影可能)、AEB(自動段階露出)といったスチルカメラライクな機能を搭載するほか、新たにヒストグラム表示も導入された。

静止画撮影時は、ビデオと同じ1920×1080のほかはすべて4:3比率で、2048×1536/1440×1080/640×480での記録に対応。画質はスーパーファイン/ファイン/ノーマルから選ぶ。掲載した画像はともに、1920×1080・スーパーファインで撮影したもの。ビデオ映像の品質も上々だが、当然ながら静止画ではさらに明瞭な印象だしばらくの間、ライバルとなるであろうソニー「DCR-HC3」と比較した場合、「HV10」にはHDMI端子がない点が残念だが、それ以外の部分ではほぼ上を行く内容が盛り込まれているといっていいだろう。本体のサイズに関しては、スタイルが異なるため、単純には比較できないものの、幅がスリムな分、実際に手に持ったときには「HV10」のほうがコンパクトだと感じる人も多いに違いない。
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