エプソンが発売した「EMP-TW1000」は、前フラッグシップモデルとして位置付けられていた「EMP-TW600」と同じ筐体デザインを採用し、一回り大きな0.75インチのフルHD透過型液晶パネルを搭載。レンズも高解像度化に合わせて強化した製品である。
同じパネルを用いた製品が、三菱電機、松下電器産業からも発売されているが、細かな仕様の違いもあり、本機がフルHDホームプロジェクターとしては最廉価。ズーム、フォーカス、レンズシフトなどはすべて手動で、映像処理回路もピクセルワークスのみのシンプルな構成だが、その分、実売価格は安く設定されているようだ。
ではその実力はどうか? 順に見ていくことにしよう。
基本的なハードウェアの構成は、従来のエプソン製ホームプロジェクターを踏襲したもので、約10%ほど効率がアップするランプ「E-TORL」を採用。「エプソンシネマフィルタ」の搭載により、高圧水銀ランプ特有のスペクトラムのクセをカットする光学設計である。液晶パネルは、液晶分子を垂直配向させた「C2FINE」と、ピクセル書き換え速度を向上させてムラを低減させるD6技術を組み合わせた0.75インチのフルHD透過型液晶パネルだ。
カラーモード設定をダイナミック、あるいはリビングといった明るさ重視のモードに設定すると黄緑成分が多く、赤の色純度も下がる傾向だが、その分、最大光出力は1200ルーメンと明るい。シネマフィルタで不要スペクトラムを削除すると、光出力は約半分になり、さらに色味を調えるに従って(光を削ることで色を整えるため)暗くなっていく。しかし、もっとも暗い「シアターブラック2」でも、暗室での100インチ程度の投射ならば、光出力に不満を感じることはない。
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