両陣営とも安価な再生機が登場し、競争は次のステージに入った感があるBlu-ray DiscとHD DVD。International CESの会場で両社のプロモーションブースを見比べてみた。
双方のブースからまず感じられるのが、「思いのほか落ち着いている」という雰囲気。来場者も多く閑散としているわけではないが、対応製品が実際に市場投入された後ということあってか、最新メディアと対応機器をこの目で見ようと意気込んでいる様子は感じられない。
ただ、展示の詳細に目をやると若干の違いがあることに気が付く。双方ともメインの展示はそれぞれのディスクを使っての高画質再生だが、対応ハードウェアとしてはBlu-ray Discはプレーヤー、HD DVDはPCの展示が目立つ。
展示されていた主な製品を列挙すると、BDAブースが「BDP-S1」「PLAYSTATION 3」(ソニー)、「BD-P1200」(Samsung)、「BDP9000」(Philips)、「DMP-BD10」(パナソニック)、「BDP-HD1」(パイオニア)、「XPS M1710」(ノートPC/デル)、「VAIO AR」(ノートPC/ソニー)、「bd135」(外付けドライブ/デル)など。シャープのプロトタイププレーヤーと、日立のプロトタイプレコーダーも展示されていた。
HD DVDブースは「HD-A2」「HD-XA2」(東芝)、「FX530」(デスクトップPC/ゲートウェイ)、「M55」(ノートPC/Samsung)、「W1J」(ノートPC/ASUS)、「hd100」(外付けドライブ/hp)、「Qosmio G35-AV660」(東芝)、「dv9000」(ノートPC/デル)などだ。
来場者の反応が比較的冷ややかだったのは、前述したように既に対応製品が市場へ投入されていることもあるだろうが、展示会につきものの「未来を感じさせる製品展示」がほとんど皆無だったこともその理由として挙げられるだろう。
Blu-ray DiscとHD DVDの双方ともレコーダーについては製品展開があまりなされておらず(HD DVDレコーダーはまだ市場に登場していない)、製品の展示があれば注目を集めたことと思われるが、展示会がレコーダーへの関心が薄い米国で行われているとはいえ、レコーダーの参考展示は日立のみとさみしい状況だ。
ただ、再生機から市場を作っていくという思惑は両陣営とも共通しているようだ。双方が主催したプレスカンファレンスではいずれも人気作品の投入を看板として掲げるほか、HD DVD陣営はROMフォーマットの容量拡大を打ち出している。大容量HDDの低価格化もあり、HD映像の録画については「まずはHDD」という認識を持っているのかは定かではないが、次世代光ディスクの録画ソリューションの充実はまだ先のこととなりそうだ。
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