世界最小・最薄という光学5倍ズームレンズ搭載デジカメ「CAMEDIA FE-240」がオリンパスイメージングから登場した。薄くて小さいのに今までよりも遠くのものが写せるデジカメということで、注目している人も多いのではないだろうか。さっそく、その実力を見てみよう。
薄型のコンパクトデジカメといえば、薄型のボディと高倍率レンズを両立させるという課題があり、これまでは光学3倍ズームがせいぜいだった。デジカメのコンパクト化に貢献したものといえば、ミノルタ(当時)の「DiMAGE X」(2002年)の屈曲光学系やペンタックスの「Optio S」(2003年)のスライディング・レンズ・システムあたりが思いつく。
2007年に入り、いきなりカシオ計算機が「EXILIM Hi-ZOOM EX-V7」で屈曲光学系を用いて光学7倍ズームを実現してしまったが、今回取りあげるFE-240も頑張っている。同じく5倍ズームで(当時)世界最小・最軽量だった「μ750」を自ら追い抜き、さらに小型化と薄型化を強化したのがこのFE-240だ。
μ750は生活防水機能を備えており、その分厚みも必要だったかもしれないが、生活防水がなく、「簡単に使える」ことを目指したFE-240はその点はより有利だっただろう。スペックを見てみると、撮像素子が異なり、レンズ自体も焦点距離が違うので、その辺も薄型化に貢献したのかもしれない。
薄型化に貢献したはずのレンズは、オリンパスのWebサイトに「高度な光学技術が、光学3倍ズームのサイズで光学5倍ズームを実現」とだけあるだけで具体的な技術の記載はないが、DiMAGE XやOptio Sのような新機構を搭載したというのではなく、今までの技術をうまく使った、ということのようだ。
光学5倍ズームということで、焦点距離は35ミリ判換算で38〜190ミリをカバー。ワイド側は低価格にありがちな数字だが、テレ側の190ミリまで寄れると、3倍ズームでは得られなかった写真が撮れるようになる。
ちなみに焦点距離はμ750が36〜180ミリだったから、多少テレ側に寄ったことになる。テレ側は、最悪デジタルズーム(というかPCでの切り抜き)を使ってカバーできる場合もあるが、ワイド側はそうも行かないので、せめてワイド端は35ミリぐらいあるとよかった。
撮影時の手ブレ補正機能がないので、5倍までズームしたとき、ちょっとでもシャッタースピードが遅くなると簡単に手ブレしてしまうのは注意が必要。シーンプログラムの「ぶれ軽減」でISO1000まで増感するが、基本的には晴天の屋外のような明るいところで使う機能と考えた方がいいだろう。それでも、初心者向け低価格カメラで光学5倍ズームが得られるのはうれしい部分だ。
外観はいたってオーソドックスな長方形のデザイン。表面の仕上げはそれほど安っぽくなく、金属素材を使っているので触った感じもそれほど悪くはない。μシリーズのようにデザインのインパクトはないが、誰でも違和感なく使えるデザインだと思う。
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