有機ELやFEDといった次世代テレビに注目が集まる「Display 2007」だが、既存のパネルやデバイスも着実に進化している。ベルギーに本拠を置くGEMIDISは、同社ブースでリアプロやフロントプロジェクターに使用するアナログLCOS(Liquid Crystal on Silicon:反射型液晶)イメージャーのロードマップを公開した。
同社のLCOSイメージャーは、アナログ・ドライブによる滑らかなグレースケールが特徴。同社駐日コンサルタントのDirk VAN EESTER氏によると、「アナログ・ドライビング・スキームは、光度と“明るさ感”の関係が人間の目に近く、グラデーションが自然だ。また、デジタル・ドライビングでは1ピクセルあたりのトランジスタ数が12〜24なのに対し、アナログは1〜5と少なくて済むためコスト的に有利。フルハイビジョンを超える高解像度に適している」と話す。
同社のロードマップによると、120Hzのフルハイビジョン(1920×1080ピクセル)にくわえ、2008年にはプロフェッショナルユースの0.82インチQXGA(2048×1536ピクセル)、4K2K(4096×2160ピクセル)のイメージャーをリリースする計画だ。「4K2Kは試案の段階。デジタルシネマ需要のほか、将来のテレビなどに利用される可能性もある」(EESTER氏)。
GEMIDISは、欧州を中心に台湾や中国などのメーカーにデバイス供給実績を持ち、フライトシュミレーターやプロジェクターなどに採用済み。日本メーカーとの取引はまだないが、都内に事務所を設けており、「これから日本のメーカーにアプローチする」としている。
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