ここでいよいよ真打ちの登場となった。まずiPhoneが映し出され、このテクノロジーを反映させた新しいiPodとして「iPod touch」が発表された。噂には聞いていたが、まさかこれほど早く登場しようとは多くの人が予想外だったのだろう。
厚さが8ミリしかないこと、3.5インチワイドのタッチパネルを採用していること、ミュージックだけでなくビデオや写真にも対応すること、iPhoneと同様の直感的なタッチパネル操作、加速度センサーを使った縦横自動切り替えなど、ジョブズ氏がそのスペックをひとつひとつ紹介していくごとに、会場に呼ばれたプレスや関係者は一言も聞き漏らすまいと真剣な面持ちを見せていた。
しかしジョブズ氏の紹介はiPod touch単体の機能にとどまらなかった。Wi-Fi(802.11b/g)搭載というこれまでのiPodとは一線を画すトピック、そしてそれを利用したWebブラウジングやYouTube閲覧機能搭載に続いて、iPod touchから直接iTunes storeの楽曲購入が行えるiTunes Wi-Fi Music storeが発表された。
PC/Macを使わなくとも曲を購入できるという、これまでのアップルにはなかった新たなスタンスは、今まで以上に顧客を拡大できる可能性がある。PC/Macに接続すればそちらにも購入した楽曲は転送されるので、外出中にも曲を購入できる手軽さもプラスされたことになる。新コンセプトを満載したiPod touchは、多くの人にとって魅力的な製品に見えるはずだ。
続いて発表されたのは、Wi-Fiに関連したトピックStarbucksとの提携だ。同店舗では今後、iTunes Wi-Fi Music storeへ無料でアクセスできるようになる。現時点ではアメリカ国内の話で、しかもニューヨーク、シアトル、サンフランシスコなど都市部店舗からの対応と、全米規模の普及が始まるまではしばらく時間がかかりそうだが、日本でも同様のサービスが行われることを大いに期待したい。
最後に(残念ながら)これは直接日本には関係しないトピックだが、iPhoneの8Gバイトモデルへの1本化と、599ドルから399ドルへという大幅な値下げも発表された。この価格だったら、と、日本のユーザーはさらに待ち遠しくなったはず。
このように全4モデル、そしてiTunes Wi-Fi Music storeのスタートとStarbucksとの提携という、トピックスに満ち満ちた新iPodの発表会。最後にKT TUNSTALL(ケイティー・タンストール)のライブを聴き、すべてを言い終えたジョブズの顔には、満足げな笑顔が浮かんでいた。
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