PC用TVチューナーカードで大きなシェアを持つピクセラが新ブランド「PRODIA」でAV家電市場へ参入する。そのわけをCEATECのプレスカンファレンスで聞いた。
同社が第1弾製品として市場へ投入するのは、20V型液晶テレビ「PIX-YT010-P00」と地上デジタル放送用チューナーユニット「PIX-XT030-P00」の2製品(関連記事:ピクセラ、20V型液晶テレビで家電へ参入)。いずれにも同社製デジタルチューナーを搭載し、同社直販価格は液晶テレビが5万9800円、チューナーユニットが2万800円前後。
同社はこれまで主にPCにだけ向けてデジタルチューナーユニット/ボードを販売していたが、2006年春にチューナー技術を軸としたAV家電市場への参入を表明。同年12月にW-ZERO3[es]専用ワンセグチューナーユニットを発売したほか(関連記事:W-ZERO3[es]専用のワンセグチューナー、12月5日発売)、AV家電組込用のコアボードやデジタルチューナーユニットをOEM提供している。
「PRODIAは――“Fundamental Quality”――基本的な性能を吟味してお届けするブランド。チャンネル切り替え速度など、テレビとしての基本的な使い勝手を高めてユーザーへ提供していきたい。そうした上で、既成概念を超える製品もかたちにしていきたい」(同社 常務取締役 栗原良和氏)
「既成概念を超える製品」として紹介されたのが、Windows Embedded CE 6.0を搭載した液晶テレビ「マルチファンクションテレビ」。地上デジタル放送の視聴はもちろん、DVDビデオやUSBメモリに記録された各種メディアファイルの再生も行える。インターネットへの接続も可能で、Webブラウズのほかソフトウェアのアップデートも行える。同社では2008年中の市販化を目標としている。
競争が激化するAV家電市場へ、なぜブランドを立ち上げてまで参入するのか? 「私たちは技術先行型企業を自負しており、つねに“ひとひねりを加えたい”と思っている。OEMやODMではそれができないし、ひねらないと価格競争に巻き込まれることにある。そこでブランドを立ち上げ、マルチファンクションテレビも投入する。これまでにない、試みもどんどん行っていきたい」(栗原氏)
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