CEATECの開催に先かげて発表されたソニー「BDZ-X90/L90/T70/T50」(関連記事:「今後はすべてBD」――ソニーがBDレコーダー4機種を発表、たっぶり録画に高速ダビング、ソニーの新Blu-rayレコーダー詳報)、シャープ“AQUOSブルーレイ”「BD-HDW20/15」(関連記事:「アナログビデオにさようなら」、シャープがBDレコーダーを発表、「手堅いスタンダード」、シャープBDレコーダー詳報)、そして開催当日にお披露目されたパナソニックの「DMR-BW900/800/700」(関連記事:松下、AVC録画対応のBlu-ray DIGAを発表)と、 年末商戦に向けて各社から次々とBlu-ray Discレコーダーが登場している。
BDメディアへの記録については、いずれもBD-R/REの2層記録に対応しており(シャープのBD-AV1/AV10はBR-REのみ記録可能)対応メディア種類については横一線。記録速度もパナソニックとソニーが最高4倍速(BD-R記録時)で並んでいる(※初出時、記録速度についての誤りがありましたので該当箇所を訂正させて頂きました)。
メディア側には徐々に4倍速対応BD-Rが登場しつつあるものの(関連記事:パナソニック、4倍速記録対応のデータ用Blu-rayドライブ)、容量は2層/50Gバイトが最大。BDメディアの速度と容量はいずれも限界点なのか。また、記録メディアとして重要な要件である「価格」がさらに低下する可能性はあるのか。CEATEC会場でBlu-ray Discに関する研究開発を行っている各社へ尋ねてみた。
まずは速度面から。BD-Rの4倍速記録に対応するPC用ドライブをブースへ展示するパナソニックに尋ねたところ、すでに8倍速対応の部品も開発を進めており、ディスク回転数が10000回転となる12倍速までは視野に入っているという「規格上ではまだ4倍速までの規定しかないが、6倍速、8倍速と高速化していくだろう」(同社)。ちなみに10000回転(12倍速)という限界速度は、それ以上回転させるとディスク破損の可能性があるという物理的な限界に基づいている。
しかし、これでのCD-Rをはじめとした記録型光学ディスクは、当初、12倍速記録(ディスク回転数は10000回転)を限界としながら、書き込み方法の改善などで実質的な速度を向上させてきたという歴史もある。あるメーカーの説明員は「BD-Rの記録速度に関して言えば、12倍速記録を超えられる可能性はある。ただ、そこに需要があるかは見極めないといけない課題だ」と述べていた。
現在市場に流通しているBDメディアの容量は最大50Gバイト(2層メディア:1層あたり25Gバイト)。これを多積層化することで容量の拡大を狙う展示も会場で見られた。パナソニックが展示していたのは4層構造(レイヤー0から3)で100Gバイトを実現するBD-Rメディアだ(多層化について学会レベルでは8層までが可能性として示されている)。
日立製作所は4層メディアのアクセス制御に関する技術展示を行っている。対物レンズの焦点位置を移動させることで信号読み出し層を変更するというもので、この技術を利用することで多層BDメディアに連続する映像を記録させた際にも、再生時には「再生機器側の環境にもよるが、DVD-R DLほど」の滑らかさを実現できるという。
また、同社ブースには多層化に関する研究結果も示されている。多層化を進めるほど、反射光が弱くなり読み取りが困難になるが、「ホモダイン光検出」とよばれる反射光をディスクに当てない光と干渉させ、信号を光のままで増幅する技術を用いることで、信号の増幅とノイズの低減を可能になる。結果として「8層/200Gバイトまでの多層化/大容量化が視野に入った」としている。
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