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» 2007年11月23日 05時20分 公開

SFC ORF 2007:3Dパラパラ漫画から“2代目”8輪電気自動車まで (2/2)

[芹澤隆徳,ITmedia]
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デジタルラジオでIP放送

 慶応大学村井研究室とKDDI、東京エフエムが協力して実験を行っている「IP over デジタル放送」(→発表記事)のデモンストレーションコーナーも用意されていた。この実験は、3セグのデジタルラジオ放送から帯域の一部を“間借り”してIPパケットを伝送するというもの。放送波を使うことで、多数のユーザーに同じ情報を一斉配信できるのがメリットだ。

photophoto 「IP over デジタル放送」のデモ

 デモンストレーションでは、会議場で行われているセッションの様子をストリーミングで配信していた。映像はQVGAサイズで毎秒12フレームほど。ワンセグ放送とほぼ同等のクオリティと思っていい。受信端末は、ノートPCにUSB接続の地上デジタルラジオチューナーを接続したもので、ハードウェアには全く手を加えていない。専用ソフトを導入するだけで、デジタルラジオを視聴しながらIP放送にも対応する点は大きなポイントだ。

 もちろん映像を一斉配信するだけなら、放送波を放送として使えばいいため、IP伝送を利用するメリットは見つけにくい。しかし、たとえば災害時の情報収集や端末のセキュリティアップデートなどに有効であるほか、上り回線を確保できれば双方向通信にも応用できるという。公共の電波にプライベートな通信をのせることは難しいと予想されるが、技術的な可能性を実証してみせたのは確か。今後、アプリケーションの検討が進めば、新しい展開も期待できるだろう。

時速370キロの電気自動車が展望台に……

 ここ数年、ORFで人気を集めているのが最高時速370キロを誇る電気自動車「Eliica」だ。空気力学性能を追求した流線形の美しいフォルムに8つのタイヤを纏った特徴的な外観を持ち、空気抵抗を示すcd値はわずか0.19。乗用車としては驚異的なレベルを実現している。しかも家庭のコンセントで充電できるEliicaは、100キロメートルの走行コストがわずか100円というエコ&財布に優しい車である。

 ただし、キャビンスペースが水滴形状になっていることもあり、中にいる人は必ずしも快適な居住空間とはいえなかった。スペック上は5人乗りだが、大の男が4人も乗ると窮屈に感じたというのが実情(注:体験者のコメントをもとに執筆しています)。この点を改善したのが、今回初展示となる「Ellica 2ndプロトタイプ」(の模型)だ。

photophoto 居住空間と実用性を重視して開発された「Ellica 2ndプロトタイプ」(の模型)

 2ndプロトタイプでは、全高を約10センチ高くしたほか、ホイールベースも拡大。これによってキャビンスペースは「大型セダンを上回る室内空間」が実現できるという。ただ、計算上はcd値も1stプロトタイプを超える予定だったが、模型による実測値は0.21と若干ながらダウンしていたらしい。がんばってほしい部分だ。

 現在のところ、予算の都合もあり2nd プロトタイプの実車を制作するメドは立っていない。今後はインホイールモーターの改良などと同時に検討を進める方針だという。

 なお、今回のORFでも、Eliica 1stプロトタイプの実車が展示されている。場所は六本木ヒルズの52階展望台「東京シティービュー」(どうやって持ち込んだのか知りたい……)。会場で配られるアンケートに答えると展望台の無料入場券がもらえるので、Eliicaを見たい方は要チェックだ。ちなみに今回は、まさか展望台にあるとは思わなかったので写真が掲載できなかった。察していただきたい。


 見所(とツッコミ所も)満載のSFC ORF 2007は11月23日(金)まで開催。場所は六本木ヒルズの「アカデミーヒルズ40」だ。

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