デジタルカメラの世帯普及率はすでに5割を超え、多くの人がデジカメを使うようになってきた。初めて購入したカメラがデジカメという人や、今までフィルムカメラオンリーで、初めてデジカメに触るという人も増えており、実際、メーカーによれば「女性」「中高年」「初心者」の増加が顕著なのだという。
こうしたユーザーに強く必要とされるのは、どれだけ手軽に簡単に、しかもきれいな写真が撮れるか、という点だろう。最近のデジカメはAFやAE、オートホワイトバランスに加え、顔検出機能を備える機種も増えており、構えてシャッターを押せば、ピントのあった、適切な露出・色合いの写真が撮れるようになっている。
コンパクトデジカメではシーンモードという機能(概念)を備えた製品も多い。その場面に適した撮影設定をカメラが自動で行ってくれる、というもので、「人物」や「夜景」「夕焼け」「ビーチ」などなど……いろいろな種類が用意されており、ユーザーが好きなシーンを選んで撮影する、という手順になっている。
しかしこのシーンモードにしても万能ではない。ユーザーがその時々に応じたシーンを自分で選択しなければならず、モードを「夕焼け」にして夕日を撮影したあと、設定を戻し忘れてしまって晴天の元で撮影をしてしまった、なんていうミスも起こりがちだ。
こんなミスを防ぎつつ、ユーザーの手間をさらに軽減させる試みがパナソニック“LIUMIX”シリーズに搭載されている「おまかせiA」だ。レンズを被写体に向けるだけでカメラがシーンを自動判別し、そのシーンに最適な設定で撮影が行える。「人物」「マクロ」「風景」「夜景」「夜景&人物」および「標準(動き認識)」のシーンモードを備えており、撮影時にはカメラがいずれかのシーンを自動的に検出し、設定を行ってくれる。
この機能の優れた点は、そのシーンに合わせた撮影設定が自動で設定されるという点だ。顔認識の場合は、顔検出が動作して顔にピントや露出、ホワイトバランスを合わせてくれるし、風景認識では緑を鮮やかにしたり被写界深度を深くしたりするなどの調整が行われる。顔&夜景認識では、スローシンクで人と夜景がともに明るく写るように設定されるといった具合だ。
使い方はモードダイヤルを「iA」モードにあわせるだけ。あとは被写体にカメラを向けるとシーンが判別される。テストしてみた限り、その認識スピードは1〜2秒ぐらい。人の顔があればあっさりと「顔認識」または「顔&夜景認識」になり、被写体にカメラを近づけるとすぐに「接写認識」になってくれる。被写体の動きが速ければ、「標準(動き認識)」となりISO感度をアップさせてシャッタースピードを稼ぎ、手ブレ・被写体ブレが起きにくいようにしてくれる。
おまかせiAをオンにしておけば、ユーザーがすることは基本的には被写体に向けてカメラを向けるだけ。いちいち「このシーンはこのモードで……」などと考える必要がない。「DMC-FX35」では、おまかせiAに「暗部補正機能」が追加された。これは画面の中の暗い部分を自動認識し、暗い部分だけピクセル単位で明るくする、という機能で、画面全体のISO感度や露出をアップして画像を明るくするよりもきれいに、自然な写真に仕上げてくれる。デジカメ初心者だけでなく、サブのコンパクトデジカメでは気軽に撮りたいという上級者の要求にも応えられそうだ。
おまかせiAは、「何も設定しなくてもきれいな写真が撮れる」という機能だが、通常のデジカメにあるフルオートの撮影モードでも、ほとんど何も設定しなくてもたいていきちんとした写真が撮れる。しかし、おまかせiAだと、シーンに合わせた撮影モードに自動設定してくれるため、より手軽に、失敗のない、きれいな写真が撮れる、というのがメリットだ。
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