今さら説明するまでもないが、YouTubeは誰でも動画をアップロードして世界中の人に公開できる、世界最大規模の動画共有サイト。通常はYouTubeのサイトにアクセスして動画をアップロードするが、EX-V8を使えばYouTubeにアクセスしなくても動画をアップロードできる。
実際には、まず撮影時にムービーベストショットから「YouTube」を選択する。このモードの動画撮影機能に大きな特徴はないが、動画の画質がNormalに限定され、記録時間はYouTubeのアップロード制限である1ファイル10分以内でしか撮影できなくなる。
使い方も普通の動画撮影と変わらず、光学7倍ズームやCCDシフト方式の手ブレ補正なども使えるし、基本的にYouTubeモードだからといって撮影の制限は特にない。
大きな違いは撮影後だ。EX-V8を同梱のクレードルに置いてPCに接続すると、通常はそこでカメラに付属の画像管理ソフトが立ち上がって画像を取り込めるのだが、YouTubeモードで撮影しておくと、自動的に付属の「YouTube Uploader for CASIO」が立ち上がる。初回起動時のみ最初にYouTubeのユーザー名とパスワードを設定しておけば、それ以降はYouTubeモードで撮影された動画が自動的に読み込まれる仕組みだ。
その後は動画のタイトル、概要、タグ、カテゴリ、言語といった情報を設定する。一度設定しておくと、次回起動時にはタイトルやタグが自動的に設定されているので手間がない。
あとはアップロードしたい動画を選択し、アップロードボタンを押すだけ。一度もYouTubeにアップロードしたことがないとエラーが発生するので、YouTubeのサイトからアップロード履歴の確認をしておく必要があるが、一度確認がすめば、あとはアップロードボタンを押すだけ。これであっけなく選択した動画がYouTubeにアップロードされる。
設定次第ではアップロード後、自動でYouTubeのサイトがWebブラウザで開かれるので、動画の情報を編集するなり、URLをコピーしてみんなに送るなりすればいいだろう。
動画は容量が大きくなりがちなのでなかなかメールでは送りにくいが、こうして動画共有サイトを活用すれば人に動画を見せやすい。専用ソフトを用意して、ほとんど手間をかけずにアップロードさせるようにしたのも親切だ。YouTubeでは見せる範囲を限定することも可能なので、特定の人だけに見せることもできるし、みんなに見せたいような動画が撮れたら公開設定にして世界中に公開すればいい。
動画撮影性能としては、AFスピードやズームスピード、手ブレの効きというあたりは気になる部分で、特に光学7倍までズームすると、手ブレ補正が弱くなるのはちょっとつらい。その点は残念な部分ではあるが、YouTubeを使うというEX-V8の全体的なアイデアは悪くはない。
撮った動画をきちんと編集したい人であれば別だが、動画を撮ってそのまますぐにアップロードする手軽さにその真価がある。デジカメの動画は、機能的にあまり長時間の撮影には向いていないため、おのずと短編動画になってしまうが、そういう短い動画は、動画共有サイトと親和性が高い。
YouTubeによれば、動画の長さが長くなると次第に視聴者のトラフィックが減っていくらしい。つまり、適度に短い動画の方が好まれる傾向にあるということで、楽しいもの、興味深いものなどを見つけて撮って、それをすぐにアップロードして、世界中の人とそれを共有するなら、EX-V8のようなデジカメの方が適しているのかもしれない。
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