背面には、2つのHDMI端子、2つのD5端子、1つのS端子を含む3系統のビデオ入力が用意されている。PCを接続するためのD-Sub 15ピンや、AVアンプなどに接続する光デジタル音声出力なども装備。このクラスとしては必要十分な数で、レコーダーやゲーム機など複数の機材を持っている人にも対応できそうだ。
i.LINKは搭載しておらず、テレビで受信したデジタル放送を録画したい場合は、S端子付きのビデオ出力を利用してシンクロ録画やAVマウス(Irシステム)連動録画といった方法になる。M1ではシンクロ録画の開始時間(何秒前から映像出力を開始するか)を設定できるため、レコーダーの起動が遅くて番組の冒頭を取り逃すといったトラブルは回避できる。
なお、M1のHDMI端子は外部機器との連携が可能だが「ブラビアリンク」ではない。つまり、外部接続機器を操作するメニューには対応しておらず、電源連動やテレビ側の入力切替など、HDMI CECの基本的な部分だけを備えたベーシックな仕様だ。今回も松下製CATV STB「TZ-DCH2000」と組み合わせて検証したが、電源と入力切替に関しては問題なく連動できた。
ユーザーインタフェースは、プレイステーション3などでお馴染みの「XMB」(クロス・メディア・バー)。チューナーは3波対応のデジタルチューナーとアナログ地上波チューナーで、2画面表示も可能だ。
液晶パネルは1366×768ピクセルで、コントラスト比は1200:1(16V型は1800:1)、上下左右178度の視野角を確保している。映像エンジンとして、ノイズの検出精度や暗部階調性を向上させた「ブラビアエンジン2」を搭載した。試用機は製品版より前のバージョンだったため厳密な画質評価は避けるが、少なくとも映像に不満は感じることは少ないと思う。
もう1つの特徴である、盛りだくさんのネットワーク対応機能についても触れておこう。M1は、「アクトビラ」(アクトビラ ベーシックおよびビデオに対応。ビデオ・フルは非対応)、「アプリキャスト」、そして「ソニールームリンク」など上位モデルと同じネットワーク機能を備えている。
アプリキャストは、PCのウィジェット(ガジェット)のようなミニアプリを画面右側に並べ、テレビを視聴しながら手軽に情報を収集できるというもの。F1シリーズの記事でも触れたが、春の新製品からXMB上で特定のアプリが選択されていると右下に小さなウインドウが開き、内容が分かるようになった。
ソニールームリンクは、DLNAガイドライン準拠のネットワーククライアント機能。DTCP-IP対応のため、離れた場所にあるサーバに保存されているデジタル放送の映像もネットワーク経由で視聴できる。機能的には昨年末にレビューを掲載した「XEL-1」と同等のため、そちらの記事もあわせて参照してほしい。
昨年の製品と異なるのは、ルームリンクにレンダラー機能が追加されたこと(関連記事)。対応するPC用アプリケーション「ネットワークスライドショー」の無償ダウンロードもsony styleで開始された。
レンダラー機能を利用すると、サーバになるPCとBRAVIA(M1のほか、F1、V1、J1の各シリーズが対応)をネットワーク接続すると、PC側の操作でJPEG画像をBRAVIAに表示させることができる。操作はドラッグ&ドロップのみ。また複数のJPEG画像とMP3ファイルを一緒にドロップすると、音楽付きのスライドショー再生が楽しめる。PCユーザーには嬉しい機能だ。
いわゆるデザイン家電の中には、スタイルを重視するあまり機能面が犠牲になるものが少なくないが、M1シリーズに関してそんな心配は無用だ。一人暮らしや個室での利用には必要十分な機能を備え、なによりポップなデザインで部屋のイメージを変えてくれるだろう。ネットワーク機能を使いこなして新しいライフスタイルを考えてみるのも面白い。
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