ひさびさにFinePixのFシリーズが面白い。富士フイルムのFinePixシリーズはオシャレ系デザイン重視フラットボディの「Z」、廉価版の「J」、高倍率ズームの「S」とあるけれども、中心となるのはやはりオーソドックススタイルで最新の技術を搭載する「F」シリーズ。
特に「FinePix F10」(以下、F10)で高感度コンパクトという新ジャンルを作り、「FinePix F31fd」(以下、F31fd)で実用的な顔認識機能を普及させた功績は大きかったが、他社が高感度時の画質を改善してきたとき、富士フイルムは画素数のアップに力を入れたこともあり、「FinePix F50fd」(以下、F50fd)は高感度時の画質で他社に迫られ、インパクトの弱い製品となっていた。
で、フルモデルチェンジして登場したのが「FinePix F100fd」(以下、F100fd)である。高感度時の画質は評価の高かったF31fdと同等だという。さらにこのクラスで待ち望まれていた28ミリ相当からの広角系ズームレンズを搭載。さらに新しく「ダイナミックレンジを400%に広げる」という新機能も搭載。
まさに生まれ変わったFinePix Fである。ワンランク上の常用コンパクト機として期待の高まる製品だ。
現在のコンパクトデジカメ用CCDは1/2.3インチクラスの普及型と、1/1.6〜1/1.7インチクラスのハイエンドに分けられる。
F100fdが搭載するのは1/1.6インチの1200万画素「スーパーCCDハニカムHR」。画素数は多いがその分CCDもちょっと大きめのハイエンド仕様で、CCDシフト式の手ブレ補正を搭載する。
レンズは28〜140ミリ相当でF3.3〜5.1の広角系5倍ズーム。このクラスで待ち望まれていたスペックである。
広角端での樽型ゆがみが少々大きいが、この大きさのズームレンズだと仕方がないところで、むしろ28ミリ相当で歪みのない描写をするデジカメは内部でデジタル的に補正処理を行っているわけであり、F100fdの場合はその辺、素直な作りになってる。
撮影最短距離は広角端のマクロモードで約5センチ。広角端以外ではあまり寄れない。
ISO感度は100〜3200で、さらに画素数を3メガ相当に落とすことでISO12800相当まで上げられる。もとが12メガなので4画素をひとつにする画素混合を行っても3メガ相当を維持できるわけだ。
便利なのは、ISOオートが3種類用意されていること。上限のISO感度をどこにするかによって「AUTO(400)」「AUTO(800)」「AUTO(1600)」の3種類があり、使い分けられる。
もっとも、感度を上げるとその分ディテールが乱れてくる。特にISO1600以上になるとノイズリダクションによるディテールの不自然なつぶれが気になるが、おおむね高感度時の絵は悪くない。ISO400までなら常用できる。もっともさすがに等倍で見るとディテールの荒れや不自然さは見受けられるけど、1200万画素の絵を等倍で見るなんてそうはあるまい。
さらに新しくダイナミックレンジを広げる機能を搭載してきたのが特徴だ。
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