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撮影シーンを選ばない万能ズームデジカメ――ニコン「COOLPIX P80」レビュー(1/5 ページ)

» 2008年07月02日 10時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 35ミリ換算27〜486ミリ相当の18倍ズームレンズを搭載したニコンのハイエンドコンパクトデジカメが「COOLPIX P80」(以下、P80)。COOLPIXとしては久々の(「COOLPIX 8800」以来かな?)ハイエンド高倍率ズームモデルだ。

 COOLPIX Pシリーズはマニュアル系機能を充実させたハイエンドモデルであり、P80は特に一眼レフ風の、というかクラシックなデザインのボディでカメラっぽく仕上げてある。

デジ一眼ふうのオーソドックスな高倍率ズーム

正面から。電源オフ時と撮影時。正面から見ると極めてオーソドックスなスタイルなのが分かる。ちょっと「D60」を小さくした感じ

 P80のボディは写真で見ると一眼レフっぽくて大きそうだが、このクラス(18倍ズーム機)としては小ぶりで、本体重量が約365グラム。手のひらにごろんと収まる収まる感じである。

左から、電源オフ時、ワイド端時、テレ端時。レンズは2段沈胴式で、テレ端時はかなり伸びる。フラッシュは側面のボタンを押さないとポップアップしない手動式

 レンズは35ミリ換算27〜486ミリ相当の18倍ズームで、撮像素子は1/2.3インチの1000万画素CCD。CCDシフト式の手ブレ補正機構を内蔵している。レンズの明るさはF2.8〜4.5となかなか。

 注目は「ゆがみ補正」機能。27ミリ相当の広角でしかもこのレンズの大きさでなおかつ高倍率ズームとなると、どうしても広角時に樽型収差が出てしまうが、P80は画像処理によって収差を補正している。

 よいのは、これをオン/オフできること。好みやシチュエーションに応じて使い分けてやるといい。オンにするとほんのちょっと画角が狭くなるが端っこの直線もシャキッと出る。ただし、デジタルの画像処理がかかるため、細部の描写力が少し落ちる。

ゆがみ補正のオンオフ。オンのときはこのアイコンが画面に表示されているので分かる。今回の作例はキャプションにコメントがない限り、ゆがみ補正オンで撮影してある(写真=左)、ゆがみ補正をオン(写真=中)とオフ(写真=右)で撮り比べ。どれだけ補正されているかがよく分かる

 どちらで撮るかは好みと被写体次第というわけだ。

マクロモード時にズームレバーを動かすと、マクロが働くレンジにあるときだけバーが緑色になる。△の位置に合わせたときが(58ミリ相当)レンズ前約1センチともっとも近寄れる

 撮影最短距離は約1センチ。しかも、それはワイド端ではなく、ちょっとズームした、約58ミリ相当の標準的な扱いやすい焦点距離で最も近寄れる仕様だ。ワイド端でのみ寄れるというデジカメも結構ある中、58ミリ相当でレンズ前1センチというのはすばらしい。ワイド端では約10センチまで寄れる。さらにマクロモード時はマクロ撮影ができるズームレンジのところだけインジケータが緑色になる。これは分かりやすくてよい。

豊富なISO感度設定。オートと高感度オートに加え、感度の上限を設定できる「感度制限オート」も用意されている

 ISO感度はISO64〜2000。さらに3メガ相当に落とすことでISO3200と6400という超高感度もセットできる(この場合は画素混合を行って画質低下を防いでいるようだ)。ISO感度設定はオート、高感度オートに次いで「感度制限オート」が用意されている。

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