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» 2008年07月11日 14時15分 公開

“RD”の存在意義を再確認できるレコーダー、東芝「RD-S502」(5/6 ページ)

[坪山博貴,ITmedia]

ビットレートがリニアに反映される画質

 まず全体の印象から書くと、画質の傾向はRD-A301に通じるものがある。解像感はかなりしっかりとキープされ、エッジの乱れも少ない。ビットレートが低くなるにつれて暗部の情報が失われたり、グラデーションの乱れは増えていくが、何気なく動画としてみている限りでは、ハイビジョン映像らしさはしっかりとキープされている。

photophoto ゆっくりとパンしているシーン。TSの元映像(左)と8.6MbpsのTSE86変換後(右)
photophoto 上と同じ素材を5.6MbpsのTSE56(左)と4MbpsのTSE40(右)で記録した。建物のエッジは4Mbpsでもしっかりとキープされている。変化を感じるのは中央よりちょっと上の緑の部分で、ビットレートの低下に合わせてグラデーションが失われる
photophoto こちらはビットレートに対する画質変化がよく分かる素材。TSの元映像(右)と8.6MbpsのTSE86変換後(右)
photophoto 上と同じ素材を5.6MbpsのTSE56(左)と4MbpsのTSE40(右)で記録。ビットレートが下がるに従ってグラデーションが荒くなり、ブロックノイズも目立ってくる。ただし頭の輪郭はしっかり描写されており、けばだった部分も背景に溶け込んではいない。こちらも動画としてみていると4Mbpsでも十分だと感じる

 気になったのは、シーンチェンジや画面全体で動きが大きい場合の破たんだ。一瞬で収束する場合が多いが、収束までに0.5秒程度かかり、動画としてみると“これはちょっと”と感じるシーンも散見された。基本的にはCMや番組のオープニングで動きが派手なケースが多いのだが、8.6Mbpsですら目立つこともあった。

 例えば、パナソニック「DIGA」の場合は「HE」モードでシーンチェンジの際に画面全体がぼやけた印象になることも多いのだが、これが本機の場合はブロックノイズの激しい画面となる。見せ方の問題ともいえ、本機がストレートすぎるといえなくもないが、RD-A301より悪化しているのでは? と感じたのも事実だ。

photophoto 左は、8.6Mbpsで録画した場合の破たんの例。右はCGによる画面全体に動きの大きいロゴ表示の画面の6分の1ほどを切り取ったもので、乱れが0.5秒程度続く。右は比較的瞬間だが、もう画面全体なにがなんだか分からなくなっている。TS録画してから変換しているので、TS録画の時点で元映像に乱れがないことは確認済み

 では、6倍録画が全く実用的でないのかといわれると、そうでもない。例えば、スタジオ録りで大きな画面変化が少ないドラマや、動きが比較的単調なアニメ(ちびまるこちゃん、サザエさんなど)では4Mbpsでも本編は動画としてほとんど破たんせず、解像感の高いハイビジョン映像を十分に楽しめる。これでDVDに2時間も保存できるならお得だ。

 これらのことを総合すると、本機のMPEG-4/AVC変換機能は、少々デリケートだといえる。きっちり使いこなすにはある程度の試行錯誤が必要だろう。ただし、見たら消す、という使い方が中心であれば、8.6Mbps程度のビットレートを常用すればいい。番組本編が破たんすることはほとんどなく、地上デジタル放送ならTS録画に対してほぼ倍の録画時間を実現できることになる。

 また本機はダビング10に対応したため、TS録画しておけば2〜3回ビットレートを変更しながらHDD内ダビングを行って画質検証をしてもダビング回数にはまだ余裕がある。フルハイビジョンのまま最低3.6Mbpsというビットレートには無茶な部分もあると思うが、それを選択できる余地を残したあたりは、どこまでもRDなのだ。

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