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“RD”の存在意義を再確認できるレコーダー、東芝「RD-S502」(6/6 ページ)

» 2008年07月11日 14時15分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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次世代DVDでなくても確かに存在するRDの存在意義

 RD-S502は、東芝の2008年夏モデルで中核をなす機種といえる。HD DVD事業撤退により、RDシリーズの先行きを危ぶむ声もあったが、RDらしさは健在で、かつダビング10対応により、その存在意義はますます高まった。DVDバーニングも次世代DVDドライブ不在を埋められる存在ではないものの、1つの新しい方向性を示してはいるだろう。素直にハイビジョンDVDレコーダーとしてみれば魅力は多い。

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 ただし、HD DVD不在の穴を埋める機能は必要だ。今回の新製品に関しては、タイミング的に仕方がないと思うが、「REGZA」シリーズで採用されている外付けHDDへの対応、あるいはDLNAサーバへのLANを介したダビングなど、今でもできそうなことに関しては何かしらの対応がほしかったと思う。

 例えば、RDシリーズはHDDのフラグメントに弱いといわれることが多い。筆者は豊富な編集機能とのトレードオフだと考えているが、過去に自宅の「RD-XS57」で録画ができなくなり、フォーマットを強いられた経験が一度だけある。幸い再生とダビングは可能だったので、録画済みのコンテンツは退避できたが、ほかの事例ではダビングも不可能になるケースもあるようだ。

 もしRDシリーズが外付けHDDダビングをサポートすれば、それを保存と再生の専用ストレージにすることで、頻繁な削除や編集で発生するフラグメントの恐怖におびえる必要はなくなる。ムーブであれば、ダビング回数を保持したまま外付けHDDにコンテンツを移動することも可能なはずだ。とにかく東芝には、早急に次世代DVDドライブ不在に対する現実的な対応を行ってほしい。もちろん、開発陣はそんなことは百も承知だと思うが……。

 本機はシングルチューナー、250Gバイトの内蔵HDDで最低価格帯にあるBDレコーダーと価格がオーバーラップしている。そのため価格面から見ると、なかなか微妙な位置づけになるだろう。ただし、同価格帯のBDレコーダーと比較すれば内蔵HDD容量は倍で、ダブルチューナーかつキーワード指定による自動録画機能を持ち、充実の編集機能など魅力も多い。現状では自己録再が基本になるが、HD RecでDVDメディアにハイビジョン番組を残すこともできる。ユーザーがハイビジョンレコーダーに何を求めるかによるが、価格面も考え合わせると、十分に魅力を持った製品であることに間違いはない。

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