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「エディット・ピアフ 愛の讃歌」をAQUOS「LC-46RX5」のハイコントラスト映像で楽しむ山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.19(1/3 ページ)

» 2008年07月23日 11時58分 公開
[山本浩司,ITmedia]

 北京オリンピックを間近に控え、大画面液晶テレビが相変わらず好調に売れている。なかでもわが国のテレビ市場で圧倒的なシェアを誇るのが、いうまでもなくシャープの「AQUOS」である。

 今年1月には、業界最薄をうたう奥行き35ミリ以下(最薄部)を実現した「Xシリーズ」(LC-46XJ1など)を発売。日立とともに液晶テレビの超薄軽量トレンドを牽引し、大きな注目を集めた。しかしこのXシリーズ、個人的には画質面でやや物足りなさを感じていた。急激な薄型化により、バックライトと拡散板の距離が近づき過ぎ、その合わせ込みが難しくなったせいか、画面上の輝度ムラ、色ムラが取りきれていない印象があったのである。また、デザイン面でも細部の処理が未整理で、完成度が低いといわざるを得なかった。

 そしてこの夏、AQUOSのプレミアム・ラインとなる「Rシリーズ」がモデルチェンジ、2007年2月発売の初代「Rシリーズ」から1年半を経て、2代めとなるRX5ラインが3モデル登場した(65V型、52V型、46V型)。その46V型モデルである「LC-46RX5」をチェックする機会を得たが、先述したXシリーズに対する不満を一気に吹き飛ばす出来のよさを実感。シャープ開発陣の頑張りにおおいに感心した次第である。

photo “AQUOS史上最高画質”をうたうRシリーズの「LC-65RX5-B」

 では、まずその高画質を実現した要素技術を見ていこう。家庭用テレビの画質を決定づける主な要件として、1. コントラスト、2. 階調、3. 色再現の3項目が挙げられるが、今回の新Rシリーズでは、このすべての項目にメスが入れられ、抜本的な画質改善を果たしているのである。

 同社亀山工場で製造された本機の液晶パネルは、倍速(120Hz)駆動が可能なリアル10ビット表示のフルHD(1920×1080ピクセル)タイプ。正面コントラストに強いVA方式で、ネイティブコントラストは、業界最高レベルの3300対1である。この黒がよく沈む新パネルを採用し、映像信号のヒストグラム分析を行ない、絵柄に合わせてバックライトと液晶開口率をリアルタイム制御することで、2万対1の“テレビコントラスト”(シャープが提唱するテレビセットとしてのコントラスト性能)を実現している。

 プリセットされた映像モードを適宜切り替えながら、実際にさまざまなコンテンツをチェックしてみたが、液晶テレビとは思えないしっかりとした黒と、安定したグレーバランス、よく伸びた輝かしい白が実現されていることが確認できた。バックライト制御と開口率制御を同時に行なう困難さは容易に想像できるが、ヒストグラム検出の完成度が高いのだろう、平均輝度レベルが大きく変化するようなシーンでも不自然さをほとんど感じさせいのである。

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