GeniusはiTunesの右下に新設されたボタンを押すだけで利用できる。ただし、Appleのサーバへ自身のライブラリに関する情報を送信するのが前提として存在するため、利用前には規約に同意する必要がある。また、Apple IDも必要だ。
規約に同意してApple IDを入力すると、ライブラリに関する情報を収集/情報をApple側へ送信/結果の受信という3ステップを経て、Geniusが利用可能となる。この3ステップの処理完了までに要する時間はライブラリのサイズ、サーバの混雑状況などにも左右されるが、約17Gバイトの容量を持つライブラリで試したところ、10分もかからずにすべての処理が終了した。
Geniusを利用してプレイリストを作成するには、任意の曲を選んだ状態で右下の「Genius」ボタンを押せばいい。リスト表示などで曲を選択した状態で右クリックすると「Geniusを開始」という項目が出現するので、そこからスタートしてもいい。プレイリストにピックアップされる曲数は25/50/75/100曲と調整可能。作製されたプレイリストを保存、気に入らなければ再生成(更新)することもできる。
まずは試しにArctic Monkeysの「Red Light Indicates Doors Are Secured」を基準に“Geniusしてみた”ところ、Kasabianの「Cutt Off」、Weezerの「Crab」、NewOrderの「Waiting For the Siren's Call」などが選曲された。UK系のブリット/オルタナティブロック中心のセレクトでなかなかいいところをついている感じだ。
それほど外した選曲にはならず、なかなかに楽しめる。しかし、ライブラリ内にあるということは、ライブラリに追加したユーザーの好みが既にフィルターとして一度機能している訳であり、まったく知らない曲が再生されるということはない。厳しいことを言えば、クラブやラジオのDJが選曲した際の、「こう来たか!」という驚きには欠けるとも言える。
選択した曲に似合う、未知(自身のiTunesライブラリーに入っていない)の楽曲に出会うための手段も用意されている。それが「Geniusサイドバー」だ。「Genius」ボタンの右隣に用意されており、ユーザーのライブラリーに収録はされていないがiTunes Storeで販売されている楽曲をオススメしてくる。
選択した楽曲が「Geniusの知らない曲」であった場合、Geniusはプレイリストを生成することができない。Geniusにおける生成基準を判別するデータベースは更新され続けるため、後日に試せばプレイリストが生成されるかもしれないが、これに関してはApple側に任せるしかない。筆者の環境で試した際には、Perfume「ポリリズム」でこの事態に直面した。ライブラリ内には同曲の作曲者である中田ヤスタカのユニット「Capsule」の楽曲も多数入れてあったので、プレイリストが生成されてもおかしくないと思ったのだが……。
なお、iTunes Storeで販売されている楽曲を提示してくるGeniusサイドバーを起動しても、「Geniusが知らない」曲については「何らかの一致をするであろうと推測される曲」を勧めてくるにとどまる。Perfume「ポリリズム」については、LAパヒューム「ラ・ラ・ラ・ソング -EP」を勧めてきた。その推測に基づいても該当する曲がない場合には、iTunes Storeの「トップソング」と「トップアルバム」がGeniusサイドバーに表示される。
Geniusはその仕組み上、参加者が多ければ多いほどその精度が高まる。今回はマッチする楽曲が見つからなかったケースもあったが、iTunes 8の提供が開始されてまだ日は浅い。利用者が増えるほどに、Geniusは「新たな音楽との出会い」を頻繁に提供してくれることだろう。
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