前回の「デジ一眼購入ガイド 前編」で取り上げたフルサイズのデジタル一眼は、画質にこだわる写真愛好家ならぜひ手に入れたいところだが、誰にでもおすすめできるカメラではない。従来のフルサイズ機より小型軽量で低価格になったとはいえ、それでもまだ大きくて重いし、実売約30万円は“お手軽”とはいえないからだ。
もっと気楽に持ち運べる小型ボディで、なおかつ多機能を駆使したいのなら、APS-Cサイズ以下のセンサーを搭載した各社のミドルクラス製品を選びたい。以下の3台は、この秋から冬にかけて発売または発売予定の中級機だ。
今年9月に発売されたニコンの中級機。APS-Cサイズの有効1230万画素CMOSを搭載し、最高ISO6400の高感度や秒間4.5コマの高速連写に対応する。2006年発売の「D80」の後継機にあたり、高画素化や大画面化、高速化、多機能化を図ったほか、デジタル一眼レフでは世界初のハイビジョン動画撮影に対応した。ライブビューや顔認識AF、センサークリーニング、アクティブD-ライティング機能などもある。
同じく今年9月に発売されたキヤノン中級機。APS-Cフィルムサイズの有効1510万画素CMOSを搭載し、最高ISO 12800の高感度や秒間6.3コマの高速連写に対応する。前モデル「EOS 40D」から、センサーの高画素化や処理エンジンの改良、液晶の精細化、撮影機能の強化を実現。連写などのレスポンス面ではフルサイズ機「EOS 5D Mark II」以上のスピードを誇る。
12月20日に発売となるオリンパスの中級機で、フォーサーズ規格の有効1230万画素Live MOSセンサーを搭載する。同社の最上位機「E-3」から高速連写や高速AF、効果最大5段分の手ブレ補正機構、フリーアングル液晶などを受け継ぎつつ、ボディの小型軽量化を実現。マルチアスペクト対応やアートフィルターなどの新機能を備える。
今年下半期販売開始/発表の新製品以外では、ニコン「D300」(2007年11月発売)やソニー「α700」(2007年11月発売)、ペンタックス「K20D」(2008年3月発売)なども、画質と機能、操作性のトータルバランスが優れた中級機としておすすめできる。それぞれ発売から約9カ月〜1年経過しているが、最新モデルに負けない性能を備えつつ、値ごろ感も出てきている。
これらの各社のミドルクラス機は、後述するエントリークラスの製品に比べて、画素数や画質が格段に上回るというほどではない。画質よりも、設定できる機能の豊富さや、操作の自由度とカスタマイズ性、ボディの剛性感、各部材の耐久性などに差があるといっていい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR