プロジェクターといえば、販売されている製品は映画を投影するホームシアター用と、プレゼンテーションなどを投影するビジネス用に2分されており、それぞれは明確なジャンル分けがなされていたが、ここに来て第3勢力とも呼べる製品群が注目を浴びている。それはポケットに入るサイズの超小型プロジェクターだ。
こうした超小型プロジェクターはInternational CESや3GSM World Congressなど大規模な展示会で見かける機会が増えていたが、実のところ、国内で販売されている製品はまだ多くない。8月に海連が「プロジェクタ X Pro920」、11月にオーエスが「pocket projector PK101」、住友スリーエムが「MPro110」を販売開始、12月中旬にアドテックが「MP15A」を販売予定と、今年下半期に入って、ようやく選択肢が広まったというのが現状だ。
今回は住友スリーエムの「MPro110」を試用し、超小型プロジェクターの現在位置を探ってみた。
MPro110はバッテリーを内蔵しながら、サイズは50(幅)×22(奥行き)×115(縦)ミリと手のひらにのるコンパクトさを実現している。数値で表現するとイメージがつかみにくいかもしれないが、スライド式の携帯電話をやや厚くしたようなフォルムで、ジャケットの胸ポケットにもすんなり入る。
投影デバイスは92万画素(640×480×3)のLCOSで、投影距離は0.305(30.5センチ)〜1.8メートル。映像サイズは8〜48型。輝度やコントラストの数値は非公開だが、“光を再利用”する「輝度上昇フィルム」を光学エンジン内に利用することで輝度を高めているという。光源はLEDで、ファンレス設計となっている。本体のスイッチ類はフォーカスダイヤルと電源オン/オフのみと非常にシンプルだ。
入力端子は2.5ミニコネクタと独自形状の平形コネクタの2系統。付属の2.5ミリケーブルは反対側がRCA(オス)だが、RCA(メス)に変換するプラグも付属する。独自形状の平形プラグケーブルは反対側がD-Sub15ピンとなっており、ノートPCなどの外部出力端子へ直接接続することができる。なお、スピーカーは非搭載となっている。
バッテリーは裏ブタのネジを外すことで交換が可能。付属ACアダプターでも駆動するが、利用と充電を同時に行うことはできない。背面には市販の三脚をそのまま装着できる雲台用のネジ穴も設けられている。投影位置を調整するレンズシフト機構や可動式スタンドなどは備えていないので、ある程度の可動範囲を持つ卓上三脚などを組み合わせると便利に使えそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR