三洋電機のXactiは、“動画も撮れるデジカメ”というアプローチで独自の地位を築いてきたシリーズ。手持ち撮影時の快適さを重視した、独自の縦型デザインを外見上の特徴としてきたが、今春にはこのスタイルを踏襲するフルHDモデル「DMX-HD2000」のほか、オーソドックスな横型モデル「DMX-FH11」も投入してきた(三洋電機、フルHD/プログレッシブ対応の新Xacti)。
また、フルHDではなく720p記録ながら、防水性能をもった「DMX-CA9」(1.5メートル防水)と「DMX-WH1」(3メートル防水)も登場し、ラインアップの充実ぶりには目を見張る。今回は今春のXactiシリーズの中から、フルHD記録対応かつ縦型スタイルを継承した「DMX-HD2000」を取り上げる。
本体のデザインは昨年秋の「DMX-HD1010」と同じく、グリップ部がレンズの光軸から105度傾けられた独特の形状。女性の手にも持ちやすいコンパクトさが魅力で、どこにでも持ち歩き、手軽にスナップを楽しむというXactiシリーズの基本的なコンセプトも受け継いでいる。
レンズが存在感を主張しているデザインは、どちらかというとガジェット好きな男性に受けそうだ。マイク入力端子や一般的なアクセサリーシューを搭載し、レンズ前には40.5ミリのフィルターねじが切られているので、外付けマイクやオプションのコンバージョンレンズ、フィルターなどのアクセサリーを容易に装着可能できるのも、マニア心をくすぐる仕様といえる。なお、今回はシャンパンゴールドのモデルを試用したが、より精悍な印象のブラックもチェックしたい。
今回のモデルチェンジでは、撮像素子であるCMOSセンサーの画素数がDMX-HD1010の1/2.5型400万画素相当から同810万画素へと高画素化されたのが第1のポイント。フルHDの画素数(約207万画素)を大きく超えてきたのは、もちろん静止画撮影時の画素数アップのためだが、CMOSの中央部を使うことにより、光学10倍というレンズのスペック以上のズーム(16倍相当)を実現する「アドバンストズーム」でも、高精細な動画撮影が可能だ。
性能面では、フルHD・毎秒60コマのプログレッシブ記録(1080/60p)を実現したのも目を引く。同社では「民生用ビデオカメラとして世界初」をうたっており、精細でしかもパラつきの少ない映像が撮影できる。もちろん、プログレッシブ記録ならではのPCとの親和性の高さも見逃せないポイントだ。DMX-HD2000は、これまでのHD対応Xactiと同じく、MPEG-4/AVC H.264によるISO標準のMPEG-4ファイルがSD/SDHCメモリーカードに記録される仕組みで、QuickTimeがインストールされた環境であれば手軽に再生できる。
ただし、ビットレートが約24Mbpsに達する60p記録時の映像は、PCにかかる負荷がかなり高く、筆者の自宅にあるCore 2 Quad Q6600搭載のデスクトップ機ではコマ落ちが発生した。撮影した動画をストレスなく楽しみたいなら、付属クレードルからHDMIケーブルでテレビにつないで見るのが最も安定した方法だろう。
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