SNS時代の新しい連絡先交換手段として開発された電子ガジェット「Poken」(ポーケン)。キーホルダーのようなマスコット同士を触れ合わせるだけで、TwitterやfacebookやLinkedInなどの情報を交換できる。
前編では創業者兼CEOのStephane Doutriaux(ステファン・ドトリオ)氏とPoken 総輸入販売代理店であるアコニの代表取締役、Peter Van der Weeen(ピーター・ヴァン・デル・ヴィーエン)氏にPokenの機能や使い方、生まれたきっかけ、パートナー展開について話を聞いた。
今回の後編では、引き続き両氏に各種SNSへの対応予定や利用されている技術、現在のPokenに指摘される問題について話を聞いてゆく。→話題のSNS名刺「Poken」創業者が語る、「人になじむテクノロジー」(前編)
――国内におけるSNSのパートナーについてはどのような状況でしょう? 現在、Pokenで利用できるのは海外のSNSばかりですが。
ヴィーエン氏: もちろんmixiやGREEといったSNSと話をしていきますし、語学学習SNS「smart.fm」(旧「iKnow!」)とも話を進めています。わたしたちは今後もこうした話し合いを進め、できるだけ多くのSNSに対応していきたいと思っています。
Pokenはまだヨーロッパでも10週間ほど前にスタートしたばかりです。日本市場でも数週間前に仕込みを始めた段階で、本格稼働はこれからだと思っています。
――そうなると、日本でもSNSの壁を超えて連絡先情報の交換が可能になりますね。昨年からネット業界では、異なるサービスに同じIDでログインできる「OpenID」やSNSサービスの枠組みを超えた連携を目指すGoogleの「OpenSocial」など、SNSオープン化の波がきていますが、Pokenもそうした動きに関係しているのでしょうか?
ドトリオ氏: ここ数年、OpenSocialを始めとするSNSオープン化に向けての技術が次々と登場しました。ただし、こうした技術は、いかにデータを取り扱うかの取り決めに過ぎず、問題解決のソリューションそのものではありません。
ですが、PokenはOpenSocialやOpenIDといった新世代の標準技術を採用しています。その上で、一般の人でも簡単に連絡先情報を交換できるソリューションとして製品化したわけです。
――技術的な話になってきたところで、ハードウェアについても、簡単に紹介してもらえますか?これは何か標準的な技術を使っているのですか?
ドトリオ氏: いいえ。これは独自開発の技術です。BluetoothやWi-Fiといった技術も検討しましたが、電力の消費が大き過ぎました。ユーザーが頻繁に電池を交換したり、充電したりといった状況は好ましくないですから、これらの技術は使えません。
わたしたちはPokenを小型の時計用電池で動作し、半年くらいはバッテリー交換が不要な製品にしたかったのです。そう考えると、既存の無線技術で使えるものが見当たらず、独自の技術を開発する必要がありました。
――Pokenのバッテリー交換はユーザーが簡単にできるのですか?
ドトリオ氏: ええ、本体の側面にドライバーを当てて、分解すれば簡単にバッテリー交換ができます。
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