フロントパネルのデザインに関しては、先代とまったく同じ。オーディオ機器としての存在感を必要以上に意識させない洗練されたスタイルは、個人的には好印象を持っている。またボディーカラーに関しては、時代の流れもあって先代のシルバーからブラックに変更されている。
フロントパネルには、他社のようにボタンを隠すカバーパネルが用意されていない(フロント入力端子部のみ小さなカバーを用意)こともあり、4つのダイヤルと複数のボタンが随所に並べられている。それでも煩雑なイメージがないのは、ひとえにデザインの巧みさによるものだ。このあたりはさすがソニーというべきだろう。ダイヤルが多いため、使い勝手も決して悪くはない。
ただし、リアパネルのレイアウトに関しては一長一短があった。思い切りよくD端子とS端子を廃したうえ、デジタル系の入力端子も左側にまとめられているため、入力端子系の接続はとてもやりやすい。また7.1チャンネルプリアウトは上部にまとめられており、設置後のブラインド差し替えを可能にしている点などにも好感が持てた。
しかしながらスピーカー端子は間隔が狭く、+/ーが横並びであるうえ、斜めの上下からケーブルを出すタイプとなっているため、ケーブルのスプリット部分の長さを+ーで違えるか、片方の線に急角度を付けて取り付けるしかなかった。せめてケーブル出口を寄り目状態にしてくれると助かったのだが。このあたりはぜひ、再検討してもらいたいものだ。
ちなみにHDMI端子は、入力が4、出力が1で、ほとんどのユーザーが不満を持つことはない。もし「フラットディスプレイとプロジェクターを同時につなぎたい」という人がいれば、上位機種のTA-DA5400ESも検討してもらいたい。こちらは入力6、出力2のHDMI端子が用意されているので、かなり複雑なシステムを構築している人の要望にも充分に応えられるはずだ。
リモコンは、ミドルクラスにしては珍しく、フル機能と簡易タイプの2つが標準で付属される。どちらにも中央に十字キーと決定ボタンがレイアウトされているので、使い勝手は上々。一度でもソニー製品を利用したことがある人であれば、すぐにでも違和感なく使いこなせるだろう。
さて、TA-DA3400ESにも自動音場調整機能が装備されているが、こちらはグラフィカルなオンスクリーンメニューを採用しているため、内容がとても分かりやすく、使い勝手は上々だった。自動設定後に数値のカスタマイズも行えるため、不満を感じることはまったくない。
さらに今回テストはできなかったが、デジタルメディアポートなる端子が用意されており、別売ケーブルと対応ウォークマンがあれば、デジタル接続による高音質のオーディオ再生ができるという。ウォークマン限定というのが少々残念(iPodも接続/コントロールできてほしかった)だが、ぜひ積極的に活用したい機能だ。またアナログレコード入力端子が備わっている点もありがたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR