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オーディオ好きも納得のユニバーサルプレーヤー、OPPO「BDP-93 NE」山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(2/2 ページ)

» 2011年04月13日 15時38分 公開
[山本浩司,ITmedia]
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 デザインもすごく洗練されている。フラットサーフェスのアルミ・フロントパネルにはヘアラインが施され、その精悍(せいかん)なブラック仕上げからは高級AV機器ならではの雰囲気が漂う。また、操作性や機能性もよく考え抜かれており、使うほどに楽しいマシンに仕上げられているのだ。「よく分かった」手練の企画マンが仕上げた製品と見た。

フラットサーフェスのアルミ・フロントパネルにはヘアラインが施されている

 SACDやCDは、軽快でしなやかなサウンドで心地よく楽しませてくれる。SACD/CD 専用プレーヤーの高級機が聴かせるような音の厚みや凄味は望めないが、キビキビとしたフレッシュなサウンドがじつに好ましい。ニューフォース仕込みのアナログ出力は、耳当りのよいよく練り上げられた音を聴かせ、HDMI出力は音場感の広いスペーシーなサウンドを楽しませる。

 手持ちの5.1ch収録のDVD AudioやSACDのコンテンツも聴いてみたが、マルチチャンネル音楽ソフトならではの部屋いっぱいに音楽が満たされる臨場感の豊かさに触れ、改めてその面白さに夢中になった。サム・クックの「ライヴ・アット・ザ・コパ」(SACD)など、'60年代のニューヨークのクラブにワープしたと思えるような極上の音場感が味わえる。残念ながらこの手の音楽ソフトが市場から消え去ろうとしているのは残念至極。良質なマルチチャンネル・アナログ入力を備えたプリアンプなど周辺ハード機器の整備が追いつかなかったのがその理由の1つだと思うが、昨今手軽に楽しめる音のよいHDMI入力を持ったAVアンプが増えてきたので、音楽好きのAVファンはマルチチャンネル収録のDVD AudioやSACDにぜひもう一度注目してほしいと思う。

 自室のNASに収めてあった192kHz/24ビットのFLACファイルをUSBメモリーにコピーして本機の入力端子に挿して聴いた音がまたすばらしかった。収録現場の空気感、演奏者の気合や緊張感が手にとるように分かる。まさにハイレゾファイルならではの表現力だと思った。またUSBメモリーを挿して瞬時に認識し再生する俊敏さにも驚かされる。昨今、USB入力を備えた単体D/Aコンバーターが人気を集めているが、サンプリング周波数192kHzにまで対応したモデルは案外少ない。そう考えると本機のハイレゾUSB入力対応という“オマケ”機能は、じつに魅力的に映る。ちなみに本機に採用されたDACチップは、シーラスロジックの24ビット・8chタイプだ。


背面の入出力端子

 Blu-ray Discソフトの画質・音質もよく練り上げられている。国内メーカーのデノン、マランツからも本機同様SACDやDVD Audioまで対応した比較的安価なフルユニバーサルBDプレーヤーが登場しているが、それらと異なり、本機は2系統のHDMI出力を備えている。そのうちHDMI1出力が性能の高さで定評のあるマーベル製映像信号処理チップを経由する仕様になっており、それをビクター/JVCのプロジェクター「DLA-X9」につなぎ、HDMI2出力をAVアンプのパイオニア「SC-LX83」につないでBlu-ray 3Dの「ガフールの伝説」などを観てみたが、超高精細なCGアニメが重層的に立体構築されたすばらしい3D効果にあぜんとし、DTS HDマスターオーディオ5.1ch音声の力感あふれるダイナミックなサウンドに陶然となった。

 それから、HDMI1出力は「ビデオセットアップ」項目内の「サブタイトルシフト」を使うと、画面外にある字幕位置の移動が可能。これはシネスコスクリーン・ユーザーにはとりわけ有り難い機能だろう。また「ビデオセットアップ」内には「3D TVサイズ」という項目があるが、これは将来の活用が予想されるBD Javaを使った拡張機能で、再生画面サイズ指定を要求するソフトが登場してきたときの備えだという。

 10万円を切る価格で最新のハイファイ系12cmディスクに全対応し、すばらしいパフォーマンスを示すオッポのBDP-93 NuForce Edition。ぜひ多くの方にその魅力に触れていただきたいと思う。

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