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音楽の楽しさがストレートに伝わるモニターサウンド、SHURE「SE215」野村ケンジのぶらんにゅ〜AV review(2/2 ページ)

» 2011年04月26日 19時44分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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サウンドの特長

 勢いのある元気なサウンドから一変、SE215はクリアかつダイレクトな印象に生まれ変わった。ひとことで言えば、素直でストレートなサウンド。中域から高域にかけては見通しが良く音数も多く、演奏の細やかな部分がよく見える。いっぽうの低域は、モニター系としてはボリューム感が大きめに設定されているものの、中域のリアルさをスポイルしてしまうこともない。絶妙なバランス感覚といえるだろう。まるで上質なモニター系ヘッドフォンを聴いているかのように、演奏のひとつひとつをありのままの姿で素直に伝えてくれる。こと帯域バランスに関しては、見事といっていいだろう。

クリアーもラインアップ(左)。ダイナミック型マイクロドライバーをシングル搭載

 試聴プレーヤーを「iPod nano」から「ウォークマンAシリーズ」に変えてさらに驚いた。音は一段とダイレクトになり、演奏者の様子が見えるかのように、描写が丁寧になる。また高域への伸びがとても素直で、ピアノの演奏がとても開放的になった。これはいい。

 調子に乗ってさらにヘッドフォンアンプを繋ぐと、今度はひずみ感が低減されつつ、底力のあるサウンドへ変化した。女性ヴォーカルは声の伸びやかさが良くなり存在感も増したため、より歌の世界へ没入できるようになる。

 このようにSE215は、プレーヤーの違いやヘッドフォンアンプの有無を如実に感じさせる、高い実力の持ち主だ。1万円前後の価格帯でこのクオリティーは望外といえる。またケーブルの交換ができるなど、ユーザビリティーとしてもかなりの魅力を持ち合わせている点もうれしい。SHUREの製品開発者は常に「ユーザーの期待を上まわる製品を作り上げることを心がけている」と言っていたが、SE215はまさにその典型、良い意味で期待を裏切ってくれた。愛用モデルとして気軽に屋外へと持ち出したい、なかなかの製品だ。

音質評価  
解像度感 (粗い−−○−−きめ細かい)
空間表現 (ナロー−○−−−ワイド)
帯域バランス (低域強調−○−−−フラット)
音色傾向 (迫力重視−−○−−質感重視)

製品名 SE215
型番 SE215-K-J(トランスルーセントブラック)、SE215-CL-J(クリアー)
ユニット シングルダイナミック型MicroDriver
音圧感度 107dB
インピーダンス 20オーム
ノイズ減衰量 37dB(最大)
再生周波数帯域 22〜1万7500Hz
入力コネクター 金メッキ3.5ミリ(ステレオミニプラグ)
ケーブル 1.6メートル着脱式、ワイヤーフォームフィット機能付き
価格 オープンプライス(実売予想価格:9500円前後)
発売日 販売中
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