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» 2011年05月25日 12時33分 公開

技研公開2011:未来の立体テレビにNHK流スマートテレビ、技研公開は見どころ満載 (2/2)

[芹澤隆徳,ITmedia]
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空間像再生型立体テレビ「インテグラル立体テレビ」

 ここ数年、技研公開やCEATEC JAPANの常連になっている「インテグラル立体テレビ」。撮影と表示の両方に微小なレンズを多数並べたレンズアレーを用い、被写体の情報を多数の光線として取得する「空間像再生型立体テレビ」の1種だ。NHKのロードマップでいえば、20年後を見据えた研究開発となる。

画質が向上したインテグラル立体テレビ。展示機は背面からプロジェクターで投影するリアプロ方式

 インテグラル立体テレビは裸眼立体視のため、専用メガネは不要。また左右だけでなく上下の視差も再現されるのが特長で、視聴中に左右や上下に動いても、その位置に応じた自然な立体像を見ることができる。今回の展示機は、立体像の画素数こそ400×250と昨年までと同じだが、一見して画質が大幅に向上していたのが印象的だ。

 レンズアレー付きで撮影するインテグラル方式では、映像にひずみが生じてぼやけた映像になってしまうのがネックだった。しかし、ひずみの補正や空間高域成分を補償するためには膨大な情報量が必要で、これが画質改善の課題になっていたという。

 そこで今回は、フル解像度SHV(スーパーハイビジョン、8K×4K)用の撮像素子に緑色(G)の画素数を2倍にする“画素ずらし技術”技術を適用。走査線8000本クラスで撮影し、これに各種信号処理を加えて立体映像の“ぼけ”を大幅に軽減した。立体テレビ側も8Kプロジェクターを使ったリアプロ方式を採用し、とくに奥行き方向の解像度が2倍に向上したという。

 またNHK技研では、インテグラル立体テレビでもVFX(Visual Effects)を可能にする手法も開発した。これまで、3DCGなどからインテグラル方式の立体映像を作成する場合、立体像の画素数(400×250)と視点数(今回は20×20)を掛け合わせた映像を生成する必要があり、処理に時間がかかりすぎて現実的ではなかったという。しかし、新たにレンズアレーから見える光線のうち、平行な光線を一括計算する演算処理を開発したことで、組み合わせを大幅に減らすことが可能になった。

多視点映像から作成した3次元モデルを高速処理するデモ。画面を傾けると“おっとっと”

 これにより、多視点映像(被写体の周りを取り囲むようにして、さまざまな方向から撮影した映像)から作成した3次元モデルをインテグラル立体テレビ用の映像に高速変換できるようになる。展示会場では、傾きセンサーを搭載した小型のインテグラル立体テレビを用い、テレビを傾けると3次元モデルのキャラクターたちが端に寄ってしまうというユニークなデモンストレーションも行われていた。

 一般公開は、5月26日(木)から29日(日)までの4日間。なお、今年は節電のために開場時間を例年より2時間短縮しており、10時から16時となっているので注意してほしい。

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