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» 2011年11月24日 18時02分 公開

麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」:洗練された3Dプロジェクター、注目モデルを一気レビュー (4/6)

[芹澤隆徳,ITmedia]

麻倉氏:実は、アップコンバートとはいえ、4K解像度で3D映像を見られるのはVPL-VW1000ESだけです。映画館ではソニーの業務用4Kプロジェクターが人気ですが、3D上映時には2K解像度になってしまいます。またJVCケンウッドの「DLA-X90R」も3D時は2Kです。

 ソニーは、昨年いち早く3Dプロジェクター「VPL-VW90ES」を投入しましたが、画面は暗めでクロストークも多く見られました。春頃にランプ調整機能を開発を行い、昨年より明るくクロストークも減ったのですが、その機能も今回のVPL-VW1000ESには導入されています。

JVCケンウッドの「DLA-X90R」と画素ずらしを可能にした「e-shiftデバイス」の概要

 JVCケンウッドのDLA-X90Rは、昨年のモデルと比べるとルーメン表示で輝度数値が少し下がっています。しかし現実には映像は明るく感じます。理由を聞くと、フィルターを工夫して光を効率的に利用できるようになったそうです。

 このように各社の3Dプロジェクターを眺めると、昨年の製品に比べて完成度がずいぶんと上がりました。いまBlu-ray 3Dを見るなら大画面のプロジェクターがおすすめです。

 一方、テレビに関しては、液晶シャッター方式に成長が見られないのが残念です。去年より良くなったとはいえません。代わりに今年は裸眼立体視と偏光メガネ方式が出てきましたが、裸眼のほうは画質がまだ“おもちゃ的”で実用に耐えるとは思えません。例えば、東芝が55V型の「55X3」を発表していますが、1月のInternational CESの際には裸眼3Dが主で4Kはそれを実現するための手段となっていたのに、今回は4Kがメインになっています。昨年の20V型では画面が小さくてそれなりに見えたこともあり、物自体の新規性で売れたのですが、1年経ってこの画質はいかがなものかと思います。しかしアプリケーションとしては家庭用は難しいとしても、デジタルサイネージには有効でしょう。

 一方、偏光方式はメガネが軽いというメリットがあります。垂直クロストークはありますが、横(水平方向)は少ないですね。また液晶シャッター方式のように、シャッターに起因するフリッカーも生じません。ただし、縦の解像度が半分近くに下がるのがネックです。横に走るブラックストライブが目立ちます。とくに斜めの線にぎざぎざが出ます。

 偏光方式では1ラインごとに右目用と左目用の映像を交互に映し出します。デジタル放送で使われるインタレースに近いため、人が脳内で映像を再構成することも考慮すれば画質的に問題はないといわれたりもします。しかし、デジタル放送の場合は完全な1画面を奇数偶数で足して1にする方式であり、プログレッシブが1とすると、0.7程度の画質といえるでしょう。しかし偏光方式の3Dでは、左右で違う画像を出しているため、頭の中ではインタレースほどの回復効果はないのではないでしょうか。

 ここでスマッシュな解決法を提案しましょう。それは、4Kパネルを使って偏光方式の3Dをやること。アップコンバートで1080本の2倍の2180本で出せば、半分になってもフルHDの解像度が得られます。

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