麻倉氏:次は、6月にアイレックスが輸入販売を開始したNVS Soundのオーディオケーブルです。NVS Soundは、アメリカで創業した専業メーカー。若い創業者(Nathan Vander Stoep氏)が趣味でケーブルを作成したところ、音を聴いた友達があまりに素晴らしいから商品化したほうが良いと勧めて起業したそうです。
日本での販売はバランスケーブルからスタートしましたが、これほど音楽が豊かで、ディティールまで細かく表現できるケーブルは史上初といってもいいでしょう。製品コンセプトは、内部のノイズを構造的に極小にしながら、外来ノイズを受けないようにすること。比重の高い「特殊金属パウダー」が導体周囲に圧入され、高いシールド効果を発揮するとともに、ケーブル全体に対する高い制振効果があるそうです。アナログケーブルでここまで音の違いがあったのは驚きでした。ものすごく“音が静かになる”ケーブルです。
麻倉氏:ソニーは今年、業務用の有機ELモニターを相次いで発表しました。まず2月に放送業務用マスターモニターとして、25V型と17V型の「BVM-Eシリーズ」を、4月にはピクチャーモニターとして、同じく25V型と17V型の「PVMシリーズ」をリリースしました。9月には医療用モニター(25V型の「PVM-2551MD」)も投入しています。中でもPVMシリーズの25V型(PVM-2541)は、62万7900円という価格なので、是非入手したいと考えています。
私は、もう何年も「液晶の次は有機ELである」と叫び続けてきましたが、ソニーは11V型「XEL-1」の販売終了以後、展望が見えませんでした。しかし今年は、業務用というカテゴリーではありますが、素晴らしいディスプレイを出してきました。ブラウン管モニターの「BVMシリーズ」を超える固定画素のモニターが登場したことは、放送局の方々にとっても朗報です。一方、池上通信機のFED(Field Emission Display)にも期待していましたが、パネルの供給元である台湾AUO(AU Optronics)が途中でやめそうになっているようで、是非とも頑張ってほしいと思います。
10月に発売されたパイオニアのAVアンプ「SC-LX85」が飛ぶように売れているようです。これまで同社のAVアンプは、“機能は良いけれど音は二の次”という印象で、情報量はあるが音楽性がないと感じていました。しかしSC-LX85は、まず音がしなやかで、素晴らしい。機能面でも同社製BDプレーヤーとの間でジッターレス伝送が行えたり、9chのアンプを持っていたりと、かなり多機能です。これまでパイオニア製AVアンプの音を冷たく感じたのは、素子のICE Powerの要因が大きかったようです。MOS FETに変えたら良くなったのです。
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