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“4Kの痕跡”を生かす4Kテレビ、東芝REGZAから2D専用「55XS5」が登場外観はヨーロピアン

» 2012年05月10日 17時46分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
4Kパネルを搭載した2D専用モデル「55XS5」

 東芝は5月10日、液晶テレビ“REGZA”(レグザ)の新製品として、4Kパネルを搭載した2D専用モデル「55XS5」を発表した。昨年末に登場した「55X3」からレンチキュラーレンズを外し、2Dの画質を追求したモデル。6月下旬に発売する予定で、価格はオープン。店頭では75万円前後になる見込みだ。

 現在のフルHDの4倍にあたる3840×2160ピクセル(約829万画素)のQFHD液晶パネルを搭載し、映像エンジン「レグザエンジンCEVO Duo」の「4K2K超解像技術」でデジタル放送やBlu-ray Discを高精細に表示する。

 55X3と異なるのは、グラスレス3Dへの非対応に加え、外観デザインとLEDバックライトの仕様。外観は欧州で販売されている55X3相当のモデルと共通で、フレームが狭く、画面部分も薄いナロー&スリムデザインとなった。「ナローベゼルの採用により、従来の47〜50V型と同程度のスペースにワンサイズ上の55V型を設置できるようになった」(同社)。

 外形寸法は、1253(幅)×357(奥行き)×832(高さ)ミリで、ディスプレイ本体のみの奥行きは58ミリ。また卓上スタンドを含む重量は27.5キログラムとなっている。スピーカーは、その存在を隠した“インビジブル”タイプになったが、音響パワーイコライジング技術「CONEQ」は継承している。

さらにナロー&スリムになった。スピーカーはインビジブルタイプで10センチ径フルレンジ×4に加え、8センチ径サブウーファーを備えている

 LEDバックライトも欧州モデルと共通のエッジタイプになった。画面分割によるエリア制御にも対応しているが、分割数は非公開。バックライトスキャンと倍速駆動を組み合わせて動画表示性能を改善する「アクティブスキャン240」や「おまかせドンピシャ高画質3」といった機能も備えた。

“4Kの痕跡”を生かすディスプレイ

 画面表面を覆っていた“かまぼこ型”のレンチキュラーレンズが省略されたことで、55XS5の表面はZシリーズなどと同様の光沢のあるクリアな画面になった。物理的にも画質的にも「間違いなく一皮むけた」(東芝、商品統括部TV商品部日本担当参事の本村裕史氏)。

実際の表示画像。クリアになった画面はパネルフォーカスと階調性が明らかに向上し、自然な立体感が出ている

 もちろん仕様変更に伴う画質のチューニングも行われている。パネルは55X3と同じだが、バックライトが異なるためガンマやカラーマネジメントを再調整。ピーク輝度は直下型バックライトの55X3 (700カンデラ)ほどではないもののはないが、仕様上で450カンデラ以上を確保。おそらく実力としては500カンデラ近く出ているという。

「4K2K超解像技術」の概要。基本的には55X3と共通ながら、55XS5専用のチューニングを施した

 「レンチキュラーシートがあると、外光反射や映像の光拡散によって、どうしても色の純度は落ちる。対して55XS5では、既存のREGZAで培った画質調整をすべて活用できた」(東芝設計開発センターデジタルプロダクツ&サービス設計第四部第三担当参事の永井賢一氏)。

東芝、商品統括部TV商品部日本担当参事の本村裕史氏

 2D専用モデルを追加した理由について本村氏は、Blu-ray Discの質的向上を挙げた。「最近は4Kで撮影・編集を行い、パッケージングにあたって2KダウンコンバートしたBDが増えている。こうしたBDを超解像技術を介して視聴すると、これまでとは明らかに違う精細な映像を楽しめる」。

 いわゆる“4Kの痕跡”を4Kパネルと東芝の超解像技術で拾い上げ、映画ファンを中心とするコアユーザーのニーズに応える。グラスレス3Dを省いたことで、コスト的にもメリットのある2Dモデルができたという。

 「4Kコンテンツがないころは苦労したが、4KダウンコンバートのBDが増え、開発時にそれを見ながら画質の調整ができるようになった」(東芝デジタルメディアグループ映像システム技術担当TV映像マイスタ アシスタントシニアマネジャーの住吉肇氏)。

 また、デジタル一眼レフカメラの画像ビューワーとしての活用や、先日リリースした“4Kボックス”を介して4KビデオカメラやPCゲームなどの画面を表示する用途も継続して提案していく。


 3Dを除く機能面は、55X3と共通だ。内蔵チューナーは、地上デジタル×3およびBS/CS110度×2で「地デジ見ながらW録」が可能。USB外付けHDDは、市販のUSBハブを使って4台まで同時に接続できるほか、内蔵のMPEG-4 AVCトランスコーダーによって最大4倍の長時間録画もサポートした。DRモードのほか、ビットレートが約12Mbpsの「AFモード」、約8Mbpsの「ANモード」、約6Mbpsの「ASモード」という3つの録画モードを用意した。もちろん2番組とも自動チャプター機能の「マジックチャプター」が働く。

 ネットワーク関連では、DLNA/DTCP-IP対応のクライアント/サーバ/レンダラー機能を搭載。USB外付けHDDに録画した番組をほかの部屋にあるREGZAやレグザタブレットに配信できるほか、レグザブルーレイなどで録画した番組をネットワーク経由で再生することもできる。このほか「アクトビラ」や「T's TV」など動画配信サービスなども備えた。

 そのほかの主な仕様は下表の通り。

型番 55XS5
パネル 55V型4K2KクリアLEDパネル(3840×2160ピクセル)
ダイナミックコントラスト 650万:1
コントラスト(JEITA) 5000:1
視野角 上下左右178度
チューナー構成 地上デジタル×3、BS/CS110度デジタル×2
映像エンジン レグザエンジン CEVO Duo
入出力端子 HDMI×4(InstaPort、コンテントタイプ連動)、D5、コンポジットビデオ×2、HDMIアナログ入力×1、光デジタル音声出力×1、USB×2、LAN、SDカードスロット、QFHD映像入力アダプター接続用拡張端子(4Kボックス用)
外形寸法 1253(幅)×357(奥行き)×832(高さ)ミリ
重量 27.5キログラム

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