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高級スピーカーメーカーが作ったワイヤレス、ディナウディオ「Xeo」が秋に登場48kHz/16bitを非圧縮で

» 2012年06月21日 20時06分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 DYNAUDIO JAPAN(ディナウディオジャパン)は6月21日、今秋発売予定のワイヤレススピーカー「Xeo」(シオ)シリーズ2機種を報道関係者に公開した。高級スピーカーメーカーとして知られるDYNAUDIOが、「世界初のハイエンド・ワイヤレス・スピーカー・システム」をうたう意欲作。ブックシェルフ型の「Xeo3」とフロア型の「Xeo5」をラインアップしている。

ブックシェルフ型の「Xeo3」とフロア型の「Xeo5」。いずれもピアノ調仕上げのブラックとホワイトをラインアップする

 デンマークに本拠を置くDYNAUDIOは、自社工場で開発から生産までを一貫して行うスピーカーメーカーだ。その製品は世界各地のレコーディングスタジオにモニタースピーカーとして採用されているほか、ボルボやフォルクスワーゲンと共同開発したプレミアムカーオーディオでも知られている。

 来日した同社社長兼CEOのWilfried Ehrenholz氏は、「これまで、高品位なサウンドを聴くためには高価なオーディオ機器と複雑な配線、煩雑な設定などが必要だった。Xeoは、アンプもケーブルもDACコンバーターもスピーカーに内蔵しているようなもの。ただ電源を入れるだけで、誰でも高品位なサウンドを楽しめる」と話す。

トランスミッター部(左)。来日した同社社長兼CEOのWilfried Ehrenholz氏(右)

48kHz/16bitを非圧縮伝送

 Xeoは、スピーカーユニットを含めてすべて自社開発のアクティブスピーカーに、豊富な入力端子を持つ専用トランスミッターを組み合わせたシステムだ。2.4GHz帯デジタル無線方式により、約50メートルの伝送が可能。「しかも、CDのフル解像度にあたる48kHz/16bitを非圧縮で伝送できる」(同氏)。

 トランスミッターは、120(幅)×32(高さ)×90(奥行き)ミリとコンパクトなサイズながら、背面にアナログ(RCAおよび3.5ミリミニジャック)、光デジタル、そしてUSBのインタフェースが用意され、ポータブルオーディオからPCまで、幅広いソース機器を接続できる。電源にはACアダプターを使用するが、PCとUSB接続した場合にはバスパワー駆動も可能だという。

トランスミッターにはアナログ、光デジタル、USBという3系統の入力端子(左)。スピーカーの背面には「ROOM1〜3」と「L/R/Mono」の切り替えスイッチ(右)

 2タイプのアクティブスピーカーは、ユニット数こそ違うが、共通のユニットを使用した2Wayバスレフ型。ツィーターはプレシジョンコーティングを施した2.7センチソフトドーム型、ウーファーは独自のMSP(ケイ酸マグネシウム・ポリマー)製振動板を採用した14.5センチ径コーン型だ。クロスオーバーにはDSPを用い、各ユニットを個別の内蔵デジタルアンプで駆動する。出力はツィーターとウーファーそれぞれ50ワットとなっている。

 “ワイヤレスならでは”といえる機能が、トランスミッター1台に対して複数のアクティブスピーカーを利用できること。スピーカーの背面パネルには、「ROOM1〜3」と「L/R/Mono」の切り替えスイッチがあり、リモコンでトランスミッターとその入力を切り替えて使用する仕組み。「Mono」の設定があるのは、店舗やパーティーのように、大きな部屋に複数のアクティブスピーカーを設置するシチュエーションを考慮したものだ。なお、発売時には増設用のアクティブスピーカーとリモコンのセットも用意するという。

1台のトランスミッターでマルチルームに対応(左)。大きな部屋に複数のアクティブスピーカーを配置してパーティー(右)

Xeo3のブラックとホワイト

 外形寸法と重量は、ブックシェルフ型のXeo3が170(幅)×281(高さ)×246(奥行き)ミリ、6.4キログラム。フロア型のXeo5は、170(幅)×922(高さ)×260(高さ)ミリ、16.7キログラム。カラーバリエーションは、ホワイトとブラックの2色で、いずれもピアノ調仕上げ(光沢)となる。

 Ehrenholz氏は、「ワイヤレススピーカーは他社からも販売されているが、いずれも“ハイエンド”ではない」と指摘する。ただし、同氏のいうハイエンドとはクオリティーに対する自信を示したもので、Xeoも価格的には決して“ハイエンド”の領域には入らない。欧州では今年3月から販売しているが、ブックシェルフ型のXeo3は約1500ユーロ、フロア型のXeo5でも約2700ユーロ。国内での販売価格は決定していないが、Xeo3は15万円前後、Xeo5が27万円前後になる見込みだという。

 「Xeoのターゲットユーザーは、音楽を愛するすべての人たち。価格も多くの人に使ってもらえるように設定した」(同氏)。

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