その名は「ICC PURIOS」、シャープがICC搭載の4Kテレビを正式発表
シャープは12月13日、I3(アイキューブド)研究所が開発した「ICC」技術を搭載する60V型の液晶テレビ「ICC PURIOS」(アイシーシー・ピュリオス)「LC-60HQ10」を発表した。発表会であいさつに立った同社液晶デジタルシステム第1事業部長の戸祭正信氏は、「PURIOSは、よりピュアな映像を表現するテレビ。新たなプレミアムモデルとして、本格ホームシアター用途、映像の強いこだわりを持つ方々に提供する」と胸を張った。
ICC(Integrated Cognitive Creation:統合脳内クリエーション)は、人の視覚が光の反射で風景や物体を認知する仕組みを応用し、入力された映像信号を再構成する“光クリエーション技術”だ。DRCなどで知られる元ソニーの近藤哲二郎氏(アイキューブド研究所代表)が開発し、シャープと共同でテレビへ搭載を目指してきた。
ICCは、物体が光を受けたときにどう反射するか? という点に着目し、映像を見た人が脳内でその物体を「〜らしい」と認知しやすい形に処理を加える。10月の「CEATEC JAPAN 2012」でもデモ機が展示され、クリアな映像と自然な立体感に驚いた人も多かった。しかし、液晶パネルに対して高いレベルの輝度均一性が求められるなど開発に手間取り、発表が延びてきた経緯がある(→関連記事)。
光クリエーション技術のキャンパス
LC-60HQ10は、近藤氏の高いレベルの要求に応えるパネルと信号技術を盛り込んでいる。亀山第2工場製の4Kパネル(3840×2160ピクセル)は、新たに直下型バックライトを細かくコントロールする制御技術を導入し、画面輝度の均一性を高めた。「業務用マスターモニターを上回る輝度均一性により、光クリエーション技術の“キャンバス”となるパネルを開発した。現実世界のような光認知が可能になる」(デジタル情報家電事業本部新規商品開発センター第1開発部の三谷康一部長)。
また、液晶パネルの階調表現特性(ガンマ)を平滑化し、自然でなめらかな階調表現を実現する「平滑化アルゴリズム」を新開発。暗部の階調表現や微妙な立体感を描き出すという。「テレビを見る人は、光源をよりリアルに感じとる。これもICCの映像を映し出すキャンパスとして整備した結果」(同氏)。また、400以上の厳格なテストをクリアして液晶テレビとしては初の「THX 4K Display Certification」認証も取得している。
ただし、バックライトの細かい調整や検査など、「従来の10倍以上となる精密な工程が必要になった」という。このためLC-60HQ10は受注生産となり、受注から出荷までに約5カ月間かかる。価格も262万5000円と家庭用のテレビとしては最高レベルとなった。
「音楽 ミキサーズラボ」モード
音声にも力を入れた。搭載するユニットは、シルク繊維のドーム型振動板を採用したシルクドームツィーターと、2つのウーファーユニットを対向配置して不要振動を低減する「DuoBass」。さらに著名アーティストの音楽製作に多く携わってきたミキサーズラボと協力し、「音楽 ミキサーズラボ」モードを搭載している。「ミキサーズラボの内沼映二会長と三浦瑞生社長のチューニングにより、マスターサウンドの再現を目指したモード」(同社)。音楽番組などをよりリアルに再現するという。
外観デザインは、10月の「CEATEC JAPAN 2012」で公開した試作機とほぼ同じ。フレームはアルミ製で、外光反射を抑えるつや消しブラックに塗装している。表面加工はヘアラインとし、プレミアムモデルならではの質感を表現した。3つのLEDインジケーターとシャープロゴの下にあるイルミネーションも控えめだ。
4Kネイティブ入力を2つの方法でサポートした。HDMI入力は、HDMI(1080/60p)4系統4端子、HDMI(4K/30p)1系統1端子。HDMIケーブル1本で4K/30Hz(30フレーム)、4本を同時に利用して4K/60Hz(60フレーム)に対応する。ほかにアナログRGBやアナログビデオ入力などを備えている。
このほか、IEEE 802.11a/b/g/n対応の内蔵無線LAN、3基のデジタル3波チューナー、2番組の同時録画が可能なUSB外付けHDD録画機能なども備えた。本体サイズは、テーブルスタンド装着時で137.8(幅)×32.6(奥行き)×88.5(高さ)センチ。なお、重量や消費電力は未定となっている。
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