マランツは12月21日、新しいフラグシップAVプリアンプ「AV8801」を発表した。AVアンプの理想形を目指したという11.2ch対応機。新たにチャンネルセパレーションを飛躍的に向上させるという「HDAM Pure Lines」技術を採用している。価格は45万1500円。2013年1月下旬に発売する。
「HDAM Pure Lines」は、11.2chぶんのプリアンプ基板をそれぞれ独立させたモノラル・コンストラクションとし、各チャンネルの出力段には、Hi-Fiコンポーネントに採用される電流帰還型プリアンプ回路を採用。その心臓部にマランツ独自のディスクリート高速アンプモジュール「HDAM」を搭載する。繊細なアナログオーディオ信号を扱うプリアンプ回路の独立性を高めることで、クロストークを大幅に低減し、明瞭(めいりょう)な定位とつながりの良いサラウンド空間を実現するという。
プリアウト出力は、バランス、アンバランスともに11.2chを用意。2〜7.1chソースの信号を9.1chあるいは11.1chにコンバートするDTS Neo:Xをサポート。もちろんAudyssey DSXやドルビーのProLogic IIzなどにも対応。2台のサブウーファーを活用するAudyssey Sub EQ HTにも対応し、最大11.2chの同時出力が可能だ。
また、新たにBlu-ray DiscやDVDなどマルチチャンネル音源の収録時に生じるLFEチャンネルの遅延による位相ズレを補正する「低域の位相補正」機能を開発。再生ソフトに合わせ、0〜16ミリ秒の範囲で調整できる。
HDMI入力は7系統を装備。うち背面にある6系統は「InstaPrevue」に対応し、再生映像を画面上でプレビューできる。リモコンにはInstaPrevueのダイレクトキーも備えた。一方、フロントパネルのHDMI端子はMHLをサポート。MHL対応のスマートフォンから映像コンテンツをテレビやプロジェクターの大画面に表示できる。
HDMI出力は、同時出力が可能なメインゾーン向け2系統出力に加え、マルチゾーン出力を合わせて3系統。メインゾーン向けの2系統は、HDMI CECやARC(オーディオ・リターン・チャンネル)、4Kアップスケール、4Kパススルーなどに対応した。
ネットワーク関連の機能も充実。まず、本体背面に4ポートのネットワークハブを装備。音源ファイルを収録したNASやPCをダイレクトに接続できるのがメリットだ。
AppleのAirPlayやDLNA 1.5準拠のネットワークオーディオプレーヤー機能を装備。WAVやFLACは最大192kHz/24bitのハイレゾ音源再生が可能だ。Apple Losslessも96kHz/24bitまでのファイル再生に対応している。もちろん、Wi-Fi経由でiPod touchやAndroidスマートフォンから本体の操作を可能にする「Marantz Remote App」にも対応している。
筐体(きょうたい)は3ピースのトップカバーと2本ステーを備え、メインシャーシにボトムプレートを加えたダブルレイヤードシャーシと合わせて不要振動を排除。メインシャーシには銅メッキを施してグラウンド電位を安定させるという。
電源には、Hi-Fiオーディオグレードの大容量トロイダルトランスを採用。2次巻き線側をD/Aコンバーター、HDAM回路、アナログオーディオ回路など回路ごとに独立させることで、干渉を排除する。またシールドケースによって外来ノイズを遮断。トランスから周辺回路への輻射(ふくしゃ)も抑制する。
信号処理にはアナログデバイセズの32bit DSP「SHARC」を3基搭載。また192kHz/32bit対応のDAC「PCM1795」を11.2chぶん(7基)搭載。このほか、プリアンプの整流回路には高級SACDプレーヤー「SA-11S3」と同グレードのカスタム電解コンデンサーを採用するなど、随所にHi-Fiオーディオの技術を取り込んだ。
本体サイズは440(幅)×185(高さ)×390(奥行き)ミリ。重量は13.9キログラム。リモコンとセットアップ用マイク、FM室内アンテナなどが付属する。
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