Arrayentではスマートグリッド的な電力管理のほか、ファームウェアのアップデートを含むさまざまな制御が可能であり、用意するインタフェース次第では非常に多くのことが実現できるとみられる。現在、Whirlpoolを含む複数のパートナーが同システムの対応をうたっており、Arrayentの利用で異なるメーカーの機器間接続が可能になっている。
現状のスマート家電やネットワーク家電で問題となるのは、“用途提案”と“そのアピール方法”だ。買い手に対してメリットを明示できなければ、単なる高い家電でしかない。その点で分かりやすいものの1つが、電灯の遠隔制御だろう。オン/オフ程度であればそれほど難易度は高くないが、光量(調光)や色(調色)なども遠隔制御できればいろいろ便利に使える。
蘭NXP Semiconductorsのブースで紹介されていたLED電球は、ZigBeeのような無線制御規格を使ってコントローラと電球が接続されており、電球側に仕込まれた制御チップによって細かく光量や色を調整できた。また蘭PhilipsはiPhone/iPadのアプリから同じようにLED電球の光量や色を自在に変更できる「hue」という製品を発売しているが、店内照明やリビングルームなど、さまざまな用途が考えられる。hueについてはCES取材時にホテルの同室者が購入して試していたが、寝床から部屋の灯りを調整したり、遊びつつもたいへん便利に使っていた印象がある。
個人的に米国らしいと思うのが昨夏に発売された米Lowe'sの「Iris」と呼ばれる製品だ。ホームゲートウェイを中心に、ドアセンサー、監視カメラ、サーモスタット、遠隔オン/オフが可能なコンセントスイッチなどの製品が構成され、何種類かの基本キットとして販売されている。各センサーの情報はホームゲートウェイを通じてクラウド上のサービスで集計されており、スマートフォンやPC等で監視が可能だ。スマートグリッド的な使い方も可能だが、Irisでおそらく最も重要なのは「ホームセキュリティ」で、侵入者検知や乳幼児を離れた場所から監視するといったことができる。家が広く、場所によっては治安もよくない米国ならではの事情を反映したものといえそう。実際、担当者によれば、発売以降問い合わせが多く、導入を検討する潜在ユーザーは多いと想定しているようだ。そのため、ホームゲートウェイに接続可能な拡張キットを今後も拡充させていくと説明していた。
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