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PCオーディオ好きにも勧めたいユニバーサルプレーヤー、OPPO「BDP-105」山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(1/2 ページ)

» 2013年02月19日 15時35分 公開
[山本浩司,ITmedia]
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 今年に入って、米OPPO Digitalの新しいユニバーサルBDプレーヤー「BDP-105」を新たにぼくの部屋に迎え入れた。昨年購入した「BDP-95」からのリプレースである。BDP-95には以前本連載でとり上げ、かなり褒めたことがあるが、BDP-105にはBDP-95から新しいフィーチャーが加わり、その変身ぶりがまた興味深く、思い切って新規導入した次第だ。

「BDP-105」。国内ではエミライが販売している。価格は21万4800円

 BDP-95からの進化・変更点は大きく3つある。HDMI出力から4K/24p変換出力が可能になったこと、192kHz/24bitまでのハイレゾファイルに対応するUSB DAC機能、それとヘッドフォンアンプ機能が加わったことである。Blu-ray Disc、CDはもちろんのこと、SACD、DVDオーディオなどの12センチ音楽ディスク再生、イーサネット(LAN)入力を用いたネットワークオーディオ再生(対応ファイルフォーマットはWAV/FLACともに192kHz/24bitまで)に加えて、本機からPC内のハイレゾ・ミュージックファイル再生も可能になったわけで、その時宜を得たハイファイ・メディア対応の懐の深さは、ほんとうに驚異的というほかはない。

 ちなみに輸入元の説明では、USB DAC機能については現状では192kHz/24bitまでのPCM系ファイルのみの対応だが、近い将来ファームウェアのアップデートで今話題のDSDファイルへの対応も検討されているそうだ。

 映像回路の4K変換処理は、BDP-95にも使われていたMarvell(マーベル)製ビデオプロセッサーの新チップによるもの。WOWOWなどの1080/60i放送を録画した映画コンテンツを1080/24pに戻して4K/24pで出力することも可能だ。

 本機のボンネットをはずして、中をのぞいてみると、手前に大型のトロイダルトランスが見え、充実のリニア電源回路基板、各種映像・音声基板が整然とレイアウトされているのが分かる。その凝縮された内部コンストラクションの美しさは、国産低価格BDプレーヤーのチープさとは段違い。また、天板の裏側には防振用と思われるゴムシートがはられ、新たに筐体(きょうたい)剛性の向上に意が注がれていることが分かる。天板を軽く手で叩いてみると、コツコツという、たいへんいい音がする。BDP-105、本格オーディオ機器としての高い品格を身につけつつあるようだ。

 音声用D/Aコンバーターには、BDP-95同様、音のよさで定評のあるESSテクノロジーの32ビット8chタイプ「ES9018」が2基搭載されている。1基を7.1chアナログ出力用に、もう1基をXLRバランスとRCAシングルエンドの2系統の2ch専用出力用とヘッドフォン出力用に用いるという仕様だ。

 本機の弟モデル「BDP-103」が同時発売されているが、本機BDP-105との最大の違いは、この2ch専用出力とヘッドフォン出力がないこと、そして電源回路がリニア電源ではなく、スイッチング電源回路であることの2点であると大略理解していい。

弟モデル「BDP-103」は9万9800円

超高級SACDプレーヤーにもひけをとらない音

 実際に本機の2ch専用出力の音をCDやSACDでじっくり聴いてみたが、音像の隈取りをしっかりと描く力感あふれる音調で、じつに好ましい。とくに出力レベルの高いXLRバランス出力のフレッシュな音におおいに心ひかれる。BDP-95とたいへんよく似た音調だが、筐体剛性を高めた本機のほうがいくらかピアニシモの表現力で勝るかもしれないという印象もある。

 ぼくはソニー「SCD-DR1」という発売当時120万円の高級SACD/CDプレーヤーを所有しているが、自室でその音に比較して、BDP-105 の健闘はおおいに称えられるべきだと思った。ひびきのきめ細かさや3次元的なステレオイメージの訴求力ではさすがにSCD-DR1に勝てないが、音像の実体感の確かさ、中低域かた中域にかけての音の充実感ではSCD-DR1を上回るほどである。

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