今回は「Xperia Z2」とaptX接続によるサウンドを中心にチェックした。スマホとペアリングが完了すると、ヘッドフォンのボイスプロンプト機能により接続が完了したことを知らせてくれる。
装着してみると、ベロア風の柔らかい質感のイヤーパッドの肌触りが心地良く、遮音性も非常に高い。電車に乗りながら音楽を聴いていると、まるでノイズキャンセリングヘッドフォンを使っているみたいに外の環境音が聞こえなくなる。頭部を抑える側圧はきつくないので、長時間音楽を聴いていても負担にはならなそうだ。右側に設けられたタッチセンサーコントローラーの感度がとてもよく、期待通りの操作レスポンスだ。むしろ、ふとしたことでセンサー部分に触れて音楽再生が一時停止してしまうほどだったが、ボリューム操作は上下方向にスワイプするアクションをしっかり判別してから応答するので、音量に関する誤操作の心配はなさそうだ。
マイケル・ジャクソンのアルバム「XSCAPE」から「Love Never Felt So Good」より試聴をスタートする。冒頭から広々としたサウンドイメージとリズムの切れ味の鋭さにひきつけられる。ボーカルが中央にくっきりと定位して、声のディティールは細部まで丁寧に引き出す。声のツヤと透明感がとても自然に再現されていて、精悍な印象だ。今回はおろしたてのデモ機をお借りして聴いたので、声に少し緊張感のような固さが乗っていたが、これはエージングを重ねていくほど、以前に試聴したエージング済みの「URBANITE XL」の有線モデルに近い、柔らかでふくよかな音に成長すると思う。ストリングスは明るく煌びやかな音色。パーカッションのカラッと乾いた軽快なリズムに次第に気分が高揚してくる。低域のインパクトはしっかりとあるけれど、中高域の音をマスクしてしまうことがなく全体のバランスも均整が取れている。このサウンドならロックやポップス系の楽曲を長時間聴き込んでも疲労感は少ないように感じた。
カジュアルな見た目とは裏腹にクラシックの音源にもピタリときた。解像表現力や分解能の高さが活きてくるオーケストラが特に良い。演奏の全体が見渡せて、ピアニッシモの細やかな旋律の動きにも自然と意識が向かう。低域の土台が安定していて、打楽器や弦バスの低域に粘り強さがある。低音が非常にクリアなので、もたつく感じは一切ない。空間の中央にはピアノの音像が立体的に浮かび上がり、音色やダイナミクスの表情が自然と伝わってくる。ピアニストの手元の動きがイメージできるほど情報量も豊富だ。金管楽器の高域が少し固く感じられた部分については、エージングをしっかり重ねて行けば華も開いてくるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR