ベンキュージャパンは11月18日、ホーム/ビジネス向けプロジェクターの新製品として5モデルを発表した。
ホーム向けには、映像規格Rec.709に対応した「HT3050」と、コストパフォーマンス重視の「HT2050」を投入。いずれもDPL方式を採用し、画素数はフルHD(1920×1080ピクセル)。11月27日発売予定で、実売価格は順に15万4800円、13万3800円前後になる見込みだ。
HT3050は、ITU-R(国際電気通信連合、無線通信部門)が策定した標準規格であるRec.709に対応しているのが特徴。デジタルテレビ放送やBlu-ray映像で基準となる色域、ガンマ値を再現できるため、コンテンツ制作者が意図する色で視聴できるという。また、新たに10ワット+10ワット出力のチャンバー型ステレオスピーカーを内蔵し、オーディオエンハンサー(Powerd by MaxxAudio)を搭載するなど音質にこだわったのもポイントだ。
前述の通り、画素数は1920×1080ピクセルで、そのほかのスペックは、輝度が2000ルーメン、コントラスト比が1万5000:1。機構として上下10度の範囲(上下105度〜115度)で画面位置を移動できるレンズシフト機能を持つほか、3系統のHDMI 1.4aを備える(ただし、うち1つは本体カバー内にあるワイヤレスドングル用)。投影画面サイズは60型〜300型で、60型投影時の距離は約1.51〜1.97メートル。
下位モデルのHT2050は、主なスペックをHT3050を引き継ぐが、Rec.709に非対応でスピーカーは10ワットのシングル、HDMI入力は2系統になる。一方、輝度は2200ルーメンと明るい。ランプ寿命はHT3050とHT2050ともに約6000時間(SmartEco使用時)。
もう1つ、ホーム/ビジネス両用の「TH670」もラインアップに加わっている。フルHDかつ輝度3000ルーメンというスペックが特徴で、もともと同スペックを持つビジネス向けモデルをホームユース向けに購入するユーザーが多かったことから新たに追加された。実売予想価格は9万4800円前後。
映像入力インタフェースはHDMI 1.4a×1、コンポジット×1、アナログRGB×2とややビジネス寄りの仕様となっている。内蔵スピーカーの出力は10ワット×1。画面サイズは60型〜300型で、60型投影時の距離は1.98〜2.4メートル。
ビジネス向けでは、現在同カテゴリで主流となっている3000ルーメンから4000ルーメンに引き上げた高輝度モデル2製品を投入している。
WXGA(1280×800ピクセル)で4000ルーメンの「MW705」は、実売9万9800円と10万円を切っているのがポイント。コントラスト比は1万3000:1で、映像入力はHDMI×2、コンポジット×1、アナログRGB×1、Sビデオ×1。投影距離は60型で2〜2.2メートルとなっている。
一方、上位モデルの「MH741」は、1920×1080ピクセルのフルHD表示に対応しつつ、明るさ4000ルーメンを実現。コントラスト比は1万:1で内蔵スピーカーは10ワットのモノラルになる。入力はHDMI×2、コンポジット×1、アナログRGB×1、Sビデオ×1。投影距離は60型で1.52〜1.97メートル。なお、背面に電源供給専用のUSBポートを備え、スティック型PCなどをHDMI入力に挿して、電源はプロジェクター本体から取るといった使い方も可能だ。実売予想価格は15万8000円。
このほか新製品内覧会にはユニークなデジタルサイネージ向けディスプレイの試作機が参考展示されていた。
55型サイズの4K UHD(3840×2160ピクセル)対応ディスプレイだが、説明員の話によればCortex-A7と8Gバイトストレージを搭載し、OSにカスタムのAndroidが動作するいわば“巨大なタブレット”。
サイネージで表示するためのコンテンツ制作ソフトを付属し、パワーポイント資料を作るような感覚でデータを作成できるほか、データをUSBメモリに格納してディスプレイに挿すだけで自動的に再生したり、クラウド経由でサイネージに表示するデータを取得できる。
ディスプレイにはユニークなIDが振られており、例えば全国1000店舗のデジタルサイネージの表示を一斉に変えたり、場所に応じて表示内容を変更するといったことがネットワーク越しに簡単に行えるという。ただし、データ形式は独自フォーマットで、PowerPointやPDFなどのファイルから変換する機能は現時点ではない。
2016年1〜3月期に出荷される見込みで、価格は20万〜25万円くらいになりそうとのことだ。
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